Quantcast
Channel: SUUMO ジャーナル
Viewing all 2939 articles
Browse latest View live

トッププランナーに聞いた! 知っておきたいリフォームの新定番12

$
0
0
トッププランナーに聞いた!知っておきたいリフォームの新定番12

住まいに求める基本的な思いは、今も昔も変わらない普遍的なものかもしれない。しかし、リフォーム技術の向上、素材の進化やプランナーの多彩なアイデア、住まい手の意識向上により、新たな定番が現場では次々と生まれている。今回は「素材」と「デザイン」二つの視点から、リフォームの現場をよく知るトッププランナー8人に、リフォームの新定番を教えてもらった
【1】引き締め素材を取り入れて空間のポイントにする

アイアンや真鍮(しんちゅう)など硬質感をもつ素材を、柔らかい雰囲気の木と組み合わせて使うのが最近の人気だ。ナチュラルな空間やモダンな空間にもなじみやすく、引き締め素材として使うと効果的。強度が高く、太さの変化によって、重厚にも繊細にも見せ方を変えられる。

既存の柱や梁を残したナチュラルな空間に、コンクリートブロックやアイアンの階段手すりなどハードな素材を組み合わせた。「黒のアイアンだとグッと引き締まり、白にするとなじむ感じにできます。どんなデザインテイストでも取り入れやすいのが魅力です」(画像提供/LIV(リヴ))

既存の柱や梁を残したナチュラルな空間に、コンクリートブロックやアイアンの階段手すりなどハードな素材を組み合わせた。「黒のアイアンだとグッと引き締まり、白にするとなじむ感じにできます。どんなデザインテイストでも取り入れやすいのが魅力です」(画像提供/LIV(リヴ))

【2】室内にはあまり使われない建築素材でラフ感を出す

ラワン合板(ベニヤ板)や足場板など従来は隠れて見えなくなる構造用建材や、古材、レンガなど外壁に使われる建築素材を、あえてインテリアに取り入れることで程よくラフな雰囲気に。ここ数年人気のインダストリアルな空間でよく見られる手法だ。

「キッチンの腰壁にラワン合板を使ってむく材とは違う質感のキリッとした塩系インテリアに」。大柄の木目が特徴的で、塗装の有無で上品系、素朴系と表情を変えられる(画像提供/ハコリノベ(サンリフォーム))

「キッチンの腰壁にラワン合板を使ってむく材とは違う質感のキリッとした塩系インテリアに」。大柄の木目が特徴的で、塗装の有無で上品系、素朴系と表情を変えられる(画像提供/ハコリノベ(サンリフォーム))

【3】イメージだけで選ばずに場所に合った素材の使い方をする

劣化が目立ちやすい水まわりなどに使う素材は、メンテナンスに手がかかってもこだわりたいのか、ラクに手入れができる方がいいのか、用途とライフスタイルに合った素材選びが暮らしやすさを左右する。長く使えるよう特性を見極め賢い素材選びをする人が増加中。

薄塗りができてクラックが入りにくいモルタルに似た質感の左官材をダイニングテーブルの天板(てんばん)や床全体に使用。「『ペットがいるので水拭きできる床に』との要望に応え、メンテナンス性とデザイン性を両立させました」(画像提供/ハコリノベ(サンリフォーム))

薄塗りができてクラックが入りにくいモルタルに似た質感の左官材をダイニングテーブルの天板(てんばん)や床全体に使用。「『ペットがいるので水拭きできる床に』との要望に応え、メンテナンス性とデザイン性を両立させました」(画像提供/ハコリノベ(サンリフォーム))

【4】再利用で新旧素材を違和感なく融合させる

全てを新しくしてしまうと、きれいにはなるが味気ない空間になってしまいがち。しかし、新旧素材をバランスよく組み合わせることで、住み慣れた家のようなこなれた空間が生まれる。古いものを以前とは違う雰囲気、違う場所で再利用するアイデアを楽しみたい。

玄関の式台に使われていた立派な木をリビングのカウンターに再利用。「捨ててしまうにはもったいない部材を活用すれば、古さを活かしたデザインの融合が楽しめます」(画像提供/LIV(リヴ))

玄関の式台に使われていた立派な木をリビングのカウンターに再利用。「捨ててしまうにはもったいない部材を活用すれば、古さを活かしたデザインの融合が楽しめます」(画像提供/LIV(リヴ))

【5】ずっと長く使える本物素材を取り入れる

質の良い本物の自然素材は、心地よさを与えてくれ、手入れ次第で長く使い続けられるのが魅力。新建材なら傷になってしまうものも、自然素材なら味になる。全面的に取り入れなくても床材やカウンターなど、足や手がよく触れる部分に絞って取り入れる人が増えている。

美しい色合いと高級感が魅力の御影石。「傷がつきにくく、水や熱に強いのが特徴で、最近は料理好きの方から天然石をキッチンカウンターに使いたいという要望が増えています」(画像提供/Kraft(クラフト))

美しい色合いと高級感が魅力の御影石。「傷がつきにくく、水や熱に強いのが特徴で、最近は料理好きの方から天然石をキッチンカウンターに使いたいという要望が増えています」(画像提供/Kraft(クラフト))

【6】塗装範囲や素材使いのバランスで印象を変える

「男前インテリア」などと呼ばれ、ここ数年人気のインダストリアルな空間。ダクトや配管がむき出しになったスケルトン天井が特徴だが、塗装や素材の組み合わせバランスで少し柔らかさをプラスすれば、ナチュラルテイストの家具にも合わせやすくなる。

スラブむき出しの天井にホワイト塗装の壁、木製サッシの室内窓を合わせ、どんなテイストにも似合う空間に。「気分に合わせて家具を入れ替えたい人や、家族の成長とともに内装を変えたい人に取り入れやすいデザインです」(画像提供/シンプルハウス)

スラブむき出しの天井にホワイト塗装の壁、木製サッシの室内窓を合わせ、どんなテイストにも似合う空間に。「気分に合わせて家具を入れ替えたい人や、家族の成長とともに内装を変えたい人に取り入れやすいデザインです」(画像提供/シンプルハウス)

【7】これまで以上に性能が高くフラットな土台づくり

2020年以降の新築では、断熱性能のレベルアップが義務化の予定。これまで体験したことのないような災害が各地で起こる中、長く安心して住み続けられるよう、家の土台となる耐震、断熱、構造面を当たり前レベル以上に引き上げるリフォームが再認識されている。

「できる限り補助金制度が使える、より高い性能を備えた家が、これからの時代に即したスタンダードになっていくはず。築古物件や増改築された物件でも、建築当時の設計図書が残っていれば一度フラットに戻し、そこから性能を高める作業が行えます」(画像提供/ATTRACT(アトラクト設計工務))

「できる限り補助金制度が使える、より高い性能を備えた家が、これからの時代に即したスタンダードになっていくはず。築古物件や増改築された物件でも、建築当時の設計図書が残っていれば一度フラットに戻し、そこから性能を高める作業が行えます」(画像提供/ATTRACT(アトラクト設計工務))

【8】室内開口を取り入れて時間と空間を家族で共有

室内開口は単に光と風の通り道としてだけでなく、デザイン性と機能性も兼ね備えている。最近ではプライバシーよりも家族とのつながりを重視する傾向が強いため、個室の扉をなくしたり、家族の気配を感じられる室内開口を設けるケースが増えている。

6人家族が集まる広いリビング。「遊び心のあるデザイン扉で子どもたちがワクワクするような空間を演出し、ガラス窓で家族の気配をいつも感じられるよう配慮しました」(画像提供/SCHOOL BUS)

6人家族が集まる広いリビング。「遊び心のあるデザイン扉で子どもたちがワクワクするような空間を演出し、ガラス窓で家族の気配をいつも感じられるよう配慮しました」(画像提供/SCHOOL BUS)

【9】ディテールまでこだわり、雰囲気ある空間をつくり出す

自分好みの空間をつくるため、モールディングやタイルの張り方、造作家具などのディテールまでこだわる人が増えている。使用する部材の太さや細さ、厚みや幅といった細やかなつくり込みのほか、素材の扱い方など一つひとつが、印象を変えるカギになる。

オリーブカラーのキッチンの腰壁に施されたモールディング。「凹凸をつけ過ぎてヨーロピアン調にならないよう、mm単位までこだわってシンプルな溝を施し、本場のアメリカンスタイルを再現」(画像提供/SCHOOL BUS)

オリーブカラーのキッチンの腰壁に施されたモールディング。「凹凸をつけ過ぎてヨーロピアン調にならないよう、mm単位までこだわってシンプルな溝を施し、本場のアメリカンスタイルを再現」(画像提供/SCHOOL BUS)

【10】照明器具や光量の調整で空間をスタイリングする

ダウンライトやダクトレールをとりあえず設置するだけの照明計画から、最近は家具とのバランスを考えた配置や照明自体のデザイン性を活かした提案へと進化。シーンによって調光できるシステムの採用など、スタイリングアイテムとして取り入れる照明計画が主流になってきた。

「古いビルを改装した空間には、カチッと計算されたデザイナーズ照明よりも、厚みのあるガラスやスチールなどラフな雰囲気のものを複数混ぜて組み合わせる方がうまくまとまります」(画像提供/アンメゾンワールド)

「古いビルを改装した空間には、カチッと計算されたデザイナーズ照明よりも、厚みのあるガラスやスチールなどラフな雰囲気のものを複数混ぜて組み合わせる方がうまくまとまります」(画像提供/アンメゾンワールド)

【11】構造上抜けない部分をあえて目立たせてアクセントにする

構造上抜けない壁や柱、梁などは、間取りをデザインする上でデメリットに思われがち。あえて特徴をもたせてデザイン化することで、その空間のポイントとして昇華させることもできる。さらに、異素材と組み合わせて新鮮なインパクトをもたせてみると、面白い空間が完成する。

LDKの中央に通る丸太柱は構造上抜くことができなかったため、磨きをかけて残し、印象的に。「美しい木目の柱はリビングの雰囲気によくなじみ、邪魔な雰囲気を感じさせません」(画像提供/ATTRACT(アトラクト設計工務))

LDKの中央に通る丸太柱は構造上抜くことができなかったため、磨きをかけて残し、印象的に。「美しい木目の柱はリビングの雰囲気によくなじみ、邪魔な雰囲気を感じさせません」(画像提供/ATTRACT(アトラクト設計工務))

【12】くすみ系アースカラーで大人上品に仕上げる

飽きのこないシンプルでナチュラルな空間は根強い人気だが、シンプル過ぎない上品で大人な雰囲気に仕上げたいという人が増えている。差し色として紺や緑、茶といった落ち着けるアースカラーを使えば上品にまとまり、どんなインテリアにも合わせやすい空間に仕上げられる。

アースカラーとは空や緑、大地の色。自然素材との相性もよく、どんなテイストにも合わせやすい。「SNSの影響か色の感覚はここ最近、多様になっているように感じますが、やはり落ち着ける色合いは昔から変わりません。人になじみの深いアースカラーが使いやすいでしょう。壁一面だけ使ったり、キッチンの造作扉だけに使うなど、アクセントカラーとして取り入れることが多いです」(画像提供/北条工務店一級建築士事務所)

アースカラーとは空や緑、大地の色。自然素材との相性もよく、どんなテイストにも合わせやすい。「SNSの影響か色の感覚はここ最近、多様になっているように感じますが、やはり落ち着ける色合いは昔から変わりません。人になじみの深いアースカラーが使いやすいでしょう。壁一面だけ使ったり、キッチンの造作扉だけに使うなど、アクセントカラーとして取り入れることが多いです」(画像提供/北条工務店一級建築士事務所)

住む人の個性やライフスタイルに合わせ、オリジナル性の高い空間づくりができるのがリフォームの醍醐味。気になる新定番をぜひプランに取り入れて、より自分らしく暮らせるリフォーム空間を実現させよう。

●取材協力
・ATTRACT(アトラクト設計工務) 林 光一さん/アンメゾンワールド 芝本貴行さん/Kraft(クラフト) 前田浅人さん/シンプルハウス 田口和也さん/SCHOOL BUS 古谷勇祐さん/ハコリノベ(サンリフォーム) 財津友里さん/北条工務店一級建築士事務所 影山絢香さん/LIV(リヴ) 藤関悦子さん元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159339_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

フランス製3万円の“高級キャットハウス”が日本で支持される理由

$
0
0
フランス製3万円の“高級”キャットハウスが日本で支持される理由

ペットとして人気がある犬と猫。飼育数でいえば、いま猫のほうが多いことはご存じでしょうか。平成29年全国犬猫飼育実態調査(一般社団法人ペットフード協会)によると、犬の飼育頭数は約892万匹だったのに対し、猫の飼育頭数は約 953万匹。10年前の同調査では猫よりも犬の飼育頭数のほうが200万匹以上多かったことと比べると、近年「猫」の人気が高まってきていると言えそうです。

こうした犬と猫を含めた、ペット関連市場は拡大傾向にあります。矢野経済研究所の調査によれば、「2017年度ペット関連総市場規模」は昨年比101.0%、1兆5135億円(見込)と徐々に拡大中。そんな中、猫については、3~4万円の高級キャットハウス(猫ハウス)も販売されるようになりました。通常、キャットハウスの価格はだいたい5000円~1万円程度。実に倍以上のお値段です。なぜそのような高級キャットハウスが誕生したのか――その点を探るべく取材してきました。
フランスも日本も共通項は“猫人気”

この高級キャットハウスブランドのブランド名は『MEYOU(ミーユー)』。日本語に訳すと、猫の鳴き声を表す「ニャア」を意味します。MEYOUは、機能的でエレガントなペット製品をつくることを目的に2014年、フランス・パリで設立。2017年1月から日本でMEYOUの輸入・販売を手掛ける株式会社モダニティのゼネラルマネージャー沼野井真一(ぬまのい・しんいち)さんにお話を伺いました。

株式会社モダニティのゼネラルマネージャー沼野井真一さん(写真撮影 ツマミ具依)

株式会社モダニティのゼネラルマネージャー沼野井真一さん(写真撮影 ツマミ具依)

――なぜ高級キャットハウスブランド『MEYOU』のキャットハウスを日本で販売しようと考えたのでしょうか。
弊社は世界中のデザインと技術・機能が優れたモダンな商品を発掘し、日本へ輸入・販売しています。

『MEYOU』は2014年に立ち上がったブランドです。2015年に、米クラウドファンディングサイトの「キックスターター」で資金を募って製品化されました。クラウドファンディングでは、8万ユーロ以上(日本円で1000万円以上)が集まり、世界中から注目されていたようです。
私たちが『MEYOU』と出合ったとき、フランスでも猫の飼育者が増加していると聞きました。しかし、日本もフランスも“猫人気”という共通項があるのに、日本の猫関連の製品はデザイン性の優れたものが少ないのではないかと感じました。「この高級キャットハウスならば、日本でも受け入れられるのではないか」と考え、取り扱いを決めました。

余談ですが、弊社代表のレジィス・ヴェランもフランス人。彼も猫を飼っているのですが、デザイン性の高いキャットハウスが欲しいと思っても、日本国内ではなかなか見つからず悩んでいたそうです。そのことも『MEYOU』を取り扱う後押しになりました。

キャットハウス「BALL」(左)と「CUBE」(右)(写真撮影:ツマミ具依)

キャットハウス「THE BALL」(左)と「THE CUBE」(右)(写真撮影:ツマミ具依)

――「MEYOU」ブランドのキャットハウスの特徴を教えてください。
種類は4種類あります。まず「THE BALL」(税込3万5640円)と「THE CUBE」(税込3万1320円)は、コクーンと呼ばれる丸い繭のような形状が特徴です。和洋どちらのインテリアにも馴染む球型形で、店頭で猫の模型がないと、一見、照明器具か何かに見えるかもしれません。

BALLとCUBEの違いはフレームです。
BALLは脚の部分にウッドを使用、フローリングとの相性もいいです。CUBEは安定性があるので、購入された方の中には入口・出口の部分の穴を上に向けて、猫がジャンプして入っていくような置き方をしている人もいます。

コクーン内で眠る猫の様子(画像提供 株式会社モダニティ)

コクーン内で眠る猫の様子(画像提供 株式会社モダニティ)

コクーンの丸い部屋は堅くしっかりした作りですが、ほどよく弾力があります。身をすっぽり隠しながら周りを観察できるので、猫にとって安心感があるようです。

コクーンで爪とぎする様子(画像提供 株式会社モダニティ)

コクーンで爪とぎする様子(画像提供 株式会社モダニティ)

コクーンは素材にも工夫がされていて、猫が爪とぎしたくなるような特殊なポリエステルでできています。毛羽立っても水拭きすれば毛羽立ちが収まるので、お手入れも簡単です。

BED(税込4万2120円)は、高さのあるスタイルになっていて飛び乗るような使い方になります。傘の部分がウール100%のフェルトになっていて、入り口に針金が通っているので型がしっかりしています。

キャットハウス「BED」。全体の高さは64cmある(写真撮影:ツマミ具依)

キャットハウス「BED」。全体の高さは64cmある(写真撮影:ツマミ具依)

キャットハウス「NEST」。ゆったり寝っ転がれる(画像提供 株式会社モダニティ)

キャットハウス「NEST」。ゆったり寝っ転がれる(画像提供 株式会社モダニティ)

NEST(税込1万9440円)は置き型で低いタイプなんですが、お昼寝場所をイメージしたような商品で、小型犬にも使える作りになっています。縁はロープのような質感の素材でできており、爪とぎして楽しめるのが特徴です。また、軽量なので持ち運びも簡単で、バスケットとクッションは水洗いでき、清潔に使えます。

――それぞれの特徴からどんな猫にオススメなのでしょうか

形状からみると、BALLとCUBEとBEDは、どちらかというとアクティブな猫に向いていますね。NESTはゆったりしているのでどっしりしたあまり動かないタイプの猫がハマるかと思います。各製品の、サイズや形状が大きく異なるので、ペットのキャラクターによって選んでいただければと思います。

価格は家具並、それでも日本で受け入れられたのは…

――実際の猫や購入者からの反応はいかがでしょうか。
ケースバイケースではありますが、ペット関連用品の展示会で設置した際、猫を入れたら全然出てこなくなってしまったというエピソードがあります。その猫はとても居心地がよかったようです。製品自体は入り口を猫が入りやすいであろうサイズで設計しているので、通常のキャットハウスよりも好んで入ってくれることが多いと自負しております。

利用者からの反応は、『インテリアの主役として見せたくなる』や、『他のインテリアともよく馴染む』といった声がありました。従来のキャットハウスにはないデザイン性が支持されているようです。

――発売後の販売店からの反応はいかがでしょうか?
ペット専門店では発売当初から珍しい商品だったためか『是非取り扱ってみましょう』と反応は上々でした。その後は、高島屋などの百貨店や高級インテリアを扱う「ザ・コンランショップ」など、取り扱い店舗の幅が広がっています。

1日の大半をキャットハウス内で過ごす猫も(画像提供 株式会社モダニティ)

1日の大半をキャットハウス内で過ごす猫も(画像提供 株式会社モダニティ)

――購入者はどのような方が多いですか?
販売店からは、都市部に住む女性が多いと聞いています。都心のコンパクトな住まいであっても、インテリアとも合わせやすいという点が支持されているのだと思います。

決して安くないお値段ではありますが、所得に限らず、猫により良い暮らしをしてほしいという強い愛情を持ち、インテリア性も重視する、という方が購入してくださっているようです。

――『MEYOU』の今後の展開について教えてください。
今はキャットハウスのみですが、今後はキャットタワーや爪とぎなど、デザイン性を発揮できる製品があれば取扱いを増やしていきたいと考えています。弊社としては猫も飼い主も快適で、かつインテリアとしても洗練されたデザインの製品を紹介していきたいと思っています。

3万円もキャットハウスに!? と感じていた筆者。しかし、従来のペット製品の中には、デザイン性に欠け、他のインテリアや家具となじみにくいものが多いのもまた確か。MEYOUを通じて、猫も人も快適な理想の共同生活を送れるならば、決して高い金額ではないかもしれません。

●取材協力
・株式会社モダニティ元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159409_mainn.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

LGBTの住まい探し、不動産オーナーの理解はまだまだ 実態は ?

$
0
0
LGBTの住まい探し、不動産オーナーのホンネは「貸したくない」? 実態は?

青山さんの理想の空間を、夫の佐戸川さんが具現化していった

LGBTという用語が世の中に浸透しつつあるが、いまだマイノリティゆえの偏見や行動への制約を受けることもあるだろう。リクルート住まいカンパニーは、LGBTの当事者にその実態を調査するとともに、不動産オーナーに対してLGBTへの意識調査を実施した。実態を紹介しよう 。【今週の住活トピック】
リクルート住まいカンパニー/
「LGBTの住まい・暮らし実態調査2018」
「不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018」LGBT当事者のほぼ3割が、住まい探しで困難や居心地の悪さを経験

「LGBT」とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの総称で、セクシャルマイノリティを表すひとつとされる。

本調査でLGBT当事者に「学校、会社など集団生活の中で、偏見や差別的な言動を受けたことや、差別的な言動に不快感を持ったことはあるか?」を聞いたところ、全体で41.2%が「ある」と回答した。中でも、ゲイの55.1%が最も高かった 。

さらに「住まい探し」について困難や居心地の悪さを経験したことがあるかを、住まい探しを経験した人に聞いたところ、「賃貸住宅探し」で28.7%、「住宅購入」で31.1%が「ある」と回答した。

ちなみに、「現在の住まい」については、「賃貸アパート・マンション」が36.7%で最も多く、持ち家の比率は31.2%(一戸建て22.1%+マンション9.1%)だった。

現在のお住まい(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「LGBTの住まい・暮らし実態調査2018」)

現在のお住まい(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「LGBTの住まい・暮らし実態調査2018」)

LGBTに向けた自治体の施策や住宅ローン商品も出始めた

LGBTが住まい探しで困難になる理由はいくつかある。

「賃貸住宅」では、貸主と賃貸借契約を結ぶ際にあらかじめ同居人を認めてもらう必要があるが、家族として同性パートナーが認められるケースは少ない。認められる賃貸住宅を探すか、ルームシェア可の物件を探すか、といったことになってしまう。

また、「住宅購入」に関しては、異性のパートナーであれば、二人の収入を合わせて一緒に住宅ローンを組むか、二人それぞれでローンを組む「ペアローン」が可能だ。しかし同性パートナー同士で住宅を購入しようとした場合には、いずれの組み方も認められないケースが多いのが現状。かといって1人でローンを組んでしまうと「万が一のときに残されたパートナーが住み続けられるのか」といった不安もつきまとう。

こうした不平等を無くしていこうと、同性カップルのパートナーシップを証明する自治体も現れた。
筆者は2015年4月8日のSUUMOジャーナルの記事で「渋谷区の同性カップル条例が成立。なぜ賃貸住宅が借りづらい?」を執筆した。渋谷区の「同性カップル条例」が成立し、手続きを取ればいわゆる「パートナーシップ証明」が発行されるようになり、賃貸住宅を探す際に、同性カップルの同居を認めやすくなると注目されたからだ。

これ以降も、世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、札幌市などの自治体で「パートナーシップ証明書」や「パートナーシップ宣誓書受領証」などを発行するようになった。こうして、一部の自治体でセクシャルマイノリティへの不平等を無くしていこうと動き出している。

また、三井住友信託銀行や住信SBIネット銀行、ソニー銀行などの銀行で、住宅ローンでペアローンや収入合算(同居親族の収入を借入者の収入と合算すること)、担保提供などができる “配偶者”の定義に、同性パートナーを加えるなどの商品改定を行った。銀行によって細かい条件などが異なるので、詳細は個別に確認をしてほしい。

LGBT当事者にこうした状況の認知度を聞いたところ、「同性カップルのパートナーシップ登録や証明書発行を行う自治体があること」の認知度が53.6%と過半数を超えたが、「同性カップルが共同で組める住宅ローン商品があること」への認知度は26.8%だった。

LGBTを応援したいという不動産オーナーは4割弱

このように、一部の自治体や金融機関では多様なパートナーシップのあり方を認めていこうという動きがあるものの、不動産の現場ではどこまで浸透しているのだろうか。

賃貸住宅の貸主である、不動産オーナーにLGBTへの意識について調査した結果を見ていこう。
同性カップルの入居を断った経験があるかどうか(入居希望を受けたことがあるオーナーが対象)については、「男性同士の同性カップル」の場合で8.3%、「女性同士の同性カップル」の場合で5.7%だった。なお、入居を断った割合が高かったのは、「ルームシェア(男性同士)」の8.2%、「同性愛者(女性)」の7.8%など。同性カップルに限らず、賃貸住宅の入居に困難が伴う実態を浮き彫りにしている。

これまでの入居希望者への対応(入居希望を受けたことがある人を対象・単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018」)

これまでの入居希望者への対応(入居希望を受けたことがある人を対象・単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018」)

また、不動産オーナー全員に今後の入居希望者の対応意向を聞いたところ、「男性同士」の同性カップルの入居希望に対して「特に気にせず入居を許可する」という回答は36.7%、「女性同士」の同性カップルの入居希望に対して「特に気にせず入居を許可する」という回答は39.3%などと、厳しい結果となった。

今後の入居希望者への対応意向(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018」)

今後の入居希望者への対応意向(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「不動産オーナーのLGBTに対する意識調査2018」)

調査結果を見ていくと、生活の拠点となる大切な住まい選びにおいて、LGBTへの偏見や差別的な行動がまだ多いことが分かる。とはいえ、不動産オーナーの中でも30代など若い世代ほど「応援したい」と回答するなど、認識が変わっていく状況も見られた。まずは、LGBTに対して適切な認識を持つことが重要だ。

今の社会の中で、LGBTであるとカミングアウトすることは勇気のいることだろう。カミングアウトした当事者をフレンドリーに受け入れる社会であってほしいと望む。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159449_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

大人の段ボールハウス&家具をつくる!「部屋に小屋」を30分で

$
0
0
大人の段ボールハウス&家具をつくる!「部屋に小屋」を30分で

無印良品やスノーピークなどの人気ブランドも販売している「小屋」が話題だ。まさに大人の秘密基地。ワクワクする。とはいえ、これらはお金も場所もそれなりに必要だ。小屋をもっと手軽に楽しみたい。そうだ、童心に返って段ボール箱で工作するのはどうか。ただし大人クオリティで。
家具からアートまで! 段ボールの驚くべきポテンシャル

段ボールといえば、日常生活のなかで手に入りやすい素材の一つだが、そのポテンシャルはいかに? 改めて段ボールの最新事情や段ボールハウスのつくり方を知るべく、段ボールニュースを紹介しているWebメディア「段ペディア」管理人の小寺誠さんに話を聞いた。

――段ボールの魅力はどんなところですか?

段ボールはとても完成された素材です。低価格でどこでも手軽に入手可能、それでいて軽くて丈夫! また加工も簡単で、ハサミやカッターでのカット作業や、木工用の接着剤での貼り付け作業が簡単にできる点も魅力です。

小寺さんがつくった段ボール銃(ちゃんとゴムが飛ぶ仕組み!)(画像提供/段ペディア)

小寺さんが作った段ボール銃(ちゃんとゴムが飛ぶ仕組み!)(画像提供/段ペディア)

小寺さんがつくった段ボール機関車(ちゃんと走る!)(画像提供/段ペディア)

小寺さんが作った段ボール機関車(ちゃんと走る!)(画像提供/段ペディア)

――段ボールの最新事情を教えてください。

段ボールは今、2つの流れでとても注目されています。
1つ目は、家具や遊具、防災用品など向けの需要です。避難所にいる人の整理タンスとして段ボールが使われていたのをテレビなどで目にしたことがある方もいるかもしれません。素材自体のポテンシャルも高く、設計次第で車が乗っても大丈夫なぐらいの強度があるので、大変使い勝手がいいんです。
2つ目は、アートとしてです。あの段ボールにこんな使い道が!? なんて作品がたくさん出てきています。最近では、段ボールアーティストのオドンガー大佐さんの作品がとても話題になっています。尾長鶏、龍神などは段ボールの表現の限界に挑戦されているように感じます。

「尾長鶏」(画像提供/オドンガー大佐さん)

「尾長鶏」(画像提供/オドンガー大佐さん)

「龍神」(画像提供/オドンガー大佐さん)

「龍神」(画像提供/オドンガー大佐さん)

――家具としての需要があるとのことですが、具体的にはどのような?

整理タンスや子ども用の机、シューズラックや収納ボックス、本棚など、なんでもありますよ! 同じサイズのものを複数集めてブロックのように積み上げるだけでも、仕切りや間仕切り、壁のように使うことができ、ちょっとした個室スペースもつくれます。

――メンテナンス方法は?

破損箇所はテープやボンドで補強! ボロボロになったら廃棄してしまっていいと思います。廃棄してもまた新しい段ボールに生まれ変わるので、資源の無駄使いにもならず、地球にも優しいんです。

段ボールで個室を簡単に。段ボールブロック壁のつくり方

段ボールの魅力を知ったところで、実際に段ボールでの個室のつくり方を教えてもらった。「ベッドを隠せる安眠空間をつくります」と小寺さん。段ボールは、スーパーマーケットやホームセンターなどで無料で集められる。ポイントは同じサイズ(特に高さ)のものを集めることで、小寺さんのオススメは2L飲料水用のもの。強度もあり、同じようなサイズの箱も集めやすいとのこと。無地の段ボール箱を使いたい場合は、段ボール箱の通販会社から購入することも可能。

小寺さんと段ボール個室(画像提供/段ペディア)

小寺さんと段ボール個室(画像提供/段ペディア)

<つくるもの>
段ボールブロック壁

<所要時間>
30分

<用意するもの>
・段ボール箱(必要に応じて増減。今回は29箱)
・クラフトテープ、OPPテープ
・木工用の接着剤
・水入り2Lペットボトル(必要に応じて)

今回使用するのは、材質:Aフルート(厚さ5mm)、サイズ:幅32cm×奥行19cm×高さ33cmの段ボール(画像提供/段ペディア)

今回使用するのは、材質:Aフルート(厚さ5mm)、サイズ:幅32cm×奥行19cm×高さ33cmの段ボール(画像提供/段ペディア)

<つくり方>
(1)「用意した箱を図のように重ねていきます。今回はベッドを隠すようにつくるため、段ボール箱を29個使用しました。壁が倒れやすい場合は、一番下の段の段ボールに、水を入れた2Lペットボトルなどの重りになるようなものを入れておくと安定感が増します」

基本的には積み上げるだけ。仕上がりをきれいにするために使用することもあるが、ハサミやカッターも不要

基本的には積み上げるだけ。仕上がりをきれいにするために使用することもあるが、ハサミやカッターも不要

(2)「重ねるだけでは転倒するので、接着剤やテープなどを使用して固定しましょう。今回はクラフトテープと透明なOPPテープを使用しています」

(画像提供/段ペディア)

(画像提供/段ペディア)

(3)「完成! 難しいポイントは特にありません。箱の表面をカッターやハサミなどでデコレーションすると、よりイイ感じになります。好みに合わせてレイアウトをアレンジしてもいいですし、自由な発想で楽しんでつくりあげてみてください」

組み合わせ次第で可能性が広がる! あなたは何をつくってみる?

「段ボール箱の組み合わせ方を変えると、こんな感じの机もできちゃいます。軽いノートパソコンぐらいなら十分置いて作業できますので、部屋に机が用意できていないときなどは試してみてください」

アレンジすれば机もつくれる! 天板は段ボールを解体して板状にしたものを2枚重ねているそう。(画像提供/段ペディア)

アレンジすれば机も作れる! 天板はダンボールを解体して板状にしたものを2枚重ねているそう(画像提供/段ペディア)

段ボール工作=箱を解体して使うもの、というイメージがあったが、箱を積み上げるだけとは盲点! 刃物がなくてもつくれてしまう点は、小さい子どもと一緒に楽しむのにも良さそうだ。アレンジ次第で可能性が広がる点もワクワクする。童心とクリエイティビティをかなえてくれる段ボール、ますます目が離せない存在だ。

●取材協力
小寺誠さん
兵庫県西宮市で約300種類以上の商品を取り扱う段ボールのクラフト雑貨店「クラフトマンエッセンス」を経営しながら、段ボールの魅力を伝えるべくWebニュースサイト「段ペディア」を運営。段ボール工作イベントなども主催する。
段ペディア
オドンガー大佐さんのHP●撮影協力
住める・泊まれる・遊べるシェア古民家「里山ベース ハナビ」元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159508_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

リノベパーツを駆使した「toolbox」な暮らし その道のプロ、こだわりの住まい[1]

$
0
0
リノベパーツを駆使した「toolbox」な暮らし その道のプロ、こだわりの住まい[1]

「ここなら楽しんで家づくりができそう」と、築48年の中古マンションを夫と購入して、昨年の5月にリノベーションした「toolbox」スタッフの小尾絵里奈さん。仕事仲間と壁を塗り替えたり、同店の床材や引き戸、レンジフードなどを取り入れたり。「すごく楽しんでできました」と当時の様子を教えてもらった。

【連載】その道のプロ、こだわりの住まい
コーヒーショップやインテリアショップのスタッフ、旅人、料理家……何かの道を追求し、私たちに提案してくれるいわば「プロ」たちは、普段どんな暮らしを送っているのだろう。プロならではの住まいの工夫やこだわりを伺った。コンセプトと好きなパーツを決めて、自分たち好みの空間にリノベした部屋

内装建材や家具、住宅設備やパーツを扱うオンラインストア「toolbox」。シンプルでミニマルなデザインものや、木や鉄の素材感を活かしたものがそろい、リノベーションやDIYで好みの空間をつくりたい人の強い味方だ。そこで働く小尾さんは、言わずもがな、設備やパーツを熟知。彼女が使いたいと思った好みのパーツを詰め込んだというマンションは、黒杉材を使用した裸足で歩くのが気持ちのいい床に、室内窓がアクセントになった落ち着く空間。実際にどのように家づくりを進めて仕上げていったのだろうか。

10代のころからの付き合いという小尾さん夫妻。リノベは妻主導で、電化製品などのセレクトは夫が担当した。グリーンが置かれ、ゆったりしたリビング。正面の壁のペイントは、あえて少しムラのある仕上がりにし、天井の照明はデザイン選びも含め職人に任せたものだそう(写真撮影/masa(PHOEBE))

10代のころからの付き合いという小尾さん夫妻。リノベは妻主導で、電化製品などのセレクトは夫が担当した。グリーンが置かれ、ゆったりしたリビング。正面の壁のペイントは、あえて少しムラのある仕上がりにし、天井の照明はデザイン選びも含め職人に任せたものだそう(写真撮影/masa(PHOEBE))

ざらりとした肌触りの床に、薄いグレーの壁と天井。小尾さんのお宅は、ひと目でこだわったであろう様子が分かる。それを伝えると、小尾さんは「でも、そこまで強いこだわりとか、細かい要望があったわけではないんです」と笑顔で答えてくれた。空間づくりを楽しむということを大切に、無理せず、考えすぎず、進めていったという。「弊社が運営する『東京R不動産』でたまたま目にした物件で、ここなら楽しい家づくりができるんじゃないかと思って。もともとの内装も好きでしたし、共用部分もプールまでついていて、価格が予算内だったので衝動買いみたいな勢いでした」。大きな間取りの変更はせず、活かすところは残しつつ、内装に手を加えていった。

自分でこだわるところ、職人にまかせるところをきちんと分けて

「まずは、『落ち着く空間にしたい』というコンセプトを決めて。あとは、好きなパーツを集めて、平面図にいろいろ写真を貼ってイメージを固めて、職人さんにも伝えていきました。ただ、細かいところまですべて自分たちで決めるとなると大変なので、プロにまかせるところはお願いして。キッチンの壁は使いたいタイルだけを伝えてどう施工するかは委ねました」

屋外に面した窓のないダイニングキッチンだが、室内窓を設けたおかげで、隣の寝室からの光が程よく差し込む(写真撮影/masa(PHOEBE))

屋外に面した窓のないダイニングキッチンだが、室内窓を設けたおかげで、隣の寝室からの光が程よく差し込む(写真撮影/masa(PHOEBE))

小尾さんの言う「好きなパーツ」とは、床材や室内窓、引き戸といった大きなものから、照明や棚受け、水栓金具などの小さなものまで幅広いもの。どこに何を使いたいか、好きなものを集めて施工する職人に伝えていった。これらは小尾さんが勤めている「toolbox」で扱うものから選んでいる。
「各メーカーのカタログは、幅広いテイストがそろっていて見ごたえはあります。でも、そこから好みのものを探すとなると、時間も手間もかかってしまう。自分が好きで勤めている店だから、それほど悩むこともなかったんです」

玄関はあまり手を加えずに、照明を好みのものに。「toolbox」で扱っている「白熱サンマ球」タイプ。漁船で使用されている電球を一般家庭用にアレンジしたもの(写真撮影/masa(PHOEBE))

玄関はあまり手を加えずに、照明を好みのものに。「toolbox」で扱っている「白熱サンマ球」タイプ。漁船で使用されている電球を一般家庭用にアレンジしたもの(写真撮影/masa(PHOEBE))

「toolbox」は、“自分らしい空間をつくるための「手立て」を詰め込んだ道具箱”として、リノベやDIYでの空間づくりに役立つ内装建材や家具、住宅設備やパーツなどを取りそろえている。各メーカーからセレクトした商品のほか、オリジナルも製作していて、それらを使った施工例も充実。小尾さんは受発注業務を担っていて、商品のラインナップを熟知している。「リノベ前の内装も好きだったので、スイッチプレートなど活かせるものは残しつつ、タオルバーやタイルなど、好きな素材を取り入れていきました」。もちろん、小尾さんのような専門的な商品知識がなくとも、好きなパーツをいくつかセレクトして、部屋全体のイメージをつくっていくことは誰でも可能なのだ。

タイルやレンジフード、棚受けやタオルバーなどは「toolbox」で選んだもの(写真撮影/masa(PHOEBE))

タイルやレンジフード、棚受けやタオルバーなどは「toolbox」で選んだもの(写真撮影/masa(PHOEBE))

コンセプトを固めておけば、職人や仕事仲間との意思疎通もスムーズ

「『落ち着ける空間』というコンセプトは大事にしていました。休日はアクティブに動き回るタイプなので、家はゆっくりくつろぐ場所にしたかったんです。だから壁は落ち着いたトーンの薄いグレーにしました」
壁の下地処理はプロに任せ、最後のペイントだけを仕事仲間とともに自分たちでやったそう。「かっちり均一な仕上がりになるのは嫌だったので、あえて『適当に塗って』って伝えました。ちょっとムラが出て落ち着ける雰囲気になったと思っています。今見ると、どこを誰が塗ったかって分かるんです(笑)。楽しかったですね」。小尾さんの「空間づくりを楽しみたい」という気持ちが、皆さんに伝わっていたことが分かる。

築48年の中古マンションで、2LDK。広さは約60平米。物件の価格は1980万円で、リノベ費用は約500万円だったとのこと。

築48年の中古マンションで、2LDK。広さは約60平米。物件の価格は1980万円で、リノベ費用は約500万円だったとのこと。

壁や天井と同じく、広い面積を担うものとして、床材にもこだわっている。「裸足で歩いて気持ちよくて、木の素材感を感じられるものにしています」。選んだのは杉材を使った足場板。なめらかな仕上がりのフローリングではなく、木の質感をそのままを活かした床材だ。

家の中でいちばん明るい部屋が寝室(写真撮影/masa(PHOEBE))

家の中でいちばん明るい部屋が寝室(写真撮影/masa(PHOEBE))

一方、寝室は「ふかふかしてて、明るい感じにしたくて、壁は白、床はカーペットにしています」。二面に窓があり、とても爽やかで清潔感のある空間に仕上がっている。さらに壁一面にポールを取り付けてクローゼット代わりにしているので、収納力も十分ある。

趣味部屋の床もリビングとひとつながりに。元々左手にあった収納を右手に配置換え。本を読んだり、仕事をしたりと自由に使っている空間(写真撮影/masa(PHOEBE))

趣味部屋の床もリビングとひとつながりに。元々左手にあった収納を右手に配置換え。本を読んだり、仕事をしたりと自由に使っている空間(写真撮影/masa(PHOEBE))

洋服以外のものは、すべて趣味部屋に収納をまとめた。壁の上部をすべて本棚にして、下はデスクに。対面には広いクローゼットがあり、夫妻で休日に楽しむというキャンプ道具や夫の仕事道具などを収めている。「この部屋は元々の収納スペースの場所が逆だったんです。でも目に入る壁面がクローゼットだと圧迫感があるので、デスクと本棚にしました」。この部屋があるおかげで、リビングダイニングにはほとんど収納がなくてもスッキリしているのだ。

なんとなく左右で夫婦のスペースを分けているそう。本棚にはすべて詰め込まず、飾るスペースを設けているので、圧迫感がない(写真撮影/masa(PHOEBE))

なんとなく左右で夫婦のスペースを分けているそう。本棚にはすべて詰め込まず、飾るスペースを設けているので、圧迫感がない(写真撮影/masa(PHOEBE))

奥行きのある広い収納スペース。壁には有孔ボードを貼り、引っ掛け収納に。引き戸はつりタイプで床に区切りがなく、広がりを感じる(写真撮影/masa(PHOEBE))

奥行きのある広い収納スペース。壁には有孔ボードを貼り、引っ掛け収納に。引き戸はつりタイプで床に区切りがなく、広がりを感じる(写真撮影/masa(PHOEBE))

失敗したらやり直せばいい。おおらかな気持ちでリノベする

家という広い空間をつくりあげることを考えると、どこから手をつけていいか分からなくなりがちだろう。でも、スイッチプレートのような小さなパーツからでもいいので、まずは好きなものを集めてみる。そしてそこから、全体のイメージを固めるという手もある。
「私たちの場合、失敗したらやり直せばいいというくらいの気持ちだったのが良かったのかもしれません。ペンキは塗りなおせばいいし、パーツ選びもちょっと違うと思ったら取り替えればいいと思っているくらいの感じなんです」と、小尾さんはおおらかだ。実際、リノベ中にキッチンの食洗機が古くて使えないことが分かり、取り外すことになったときも、それはそれで引き出しを組み込めばいいと前向きに方向転換したという。

リビングとつながるダイニングキッチン。もともと隣室の収納部分だったスペースの壁を取り払い、冷蔵庫置き場に。システムキッチンは既存のものをそのまま使っている(写真撮影/masa(PHOEBE))

リビングとつながるダイニングキッチン。もともと隣室の収納部分だったスペースの壁を取り払い、冷蔵庫置き場に。システムキッチンは既存のものをそのまま使っている(写真撮影/masa(PHOEBE))

「DIYも職人の手も自分で選んで、編集者として家づくりをしました。楽しい作業でしたし、今も楽しく生活できています。やってみて良かったです」とうれしそう。趣味部屋の壁の色を変えたいなど、まだやりたいことはあるという。最初に細かいところまですべて決める必要はない。家づくりは好きなパーツから少しずつスタートしてもいい。さまざまな設備やパーツを扱う小尾さんだからこそ、たどり着いた考え方だ。リノベーションに対するハードルは低く、気楽に暮らす様子にこちらまで楽しい気持ちが伝わってきた。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159563_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

家事が億劫になるのは、怠け癖ではなく「住まいの温熱性能」が理由だった!?

$
0
0
家事が億劫になるのは、怠け癖ではなく「住まいの温熱性能」が理由だった!?

旭化成建材・快適空間研究所と旭リサーチセンターが「住まいの温熱環境の実態と満足度」の第4回調査結果を公表した。筆者はこの結果を見て、「寒くて掃除する気にならない」と思うのは、私だけではないことに安心したり、自ら住宅内に温度ムラをつくっていたことが分かって反省したり、いろいろと気づくことが多かった。皆さんはどうだろうか?【今週の住活トピック】
「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査」を公表/旭化成建材・旭リサーチセンター温熱性能が高い住まいほど、家事行動が“億劫でない”傾向に

まず、この結果(画像1)を見てほしい。

【画像1】冬季の家事行動について(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

【画像1】冬季の家事行動について(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

筆者は、猛暑日の昼間や真冬の夕方などに「掃除するのが面倒だなあ」と思いながら、だらだらと掃除をすることが何度もあった。我が家はマンションながら角住戸なので窓が多く、室内にいて暑さや寒さを感じることが多い。料理や洗濯よりも、住宅内の部屋を移動しながら掃除をするのが、特に億劫に感じる。

この結果を見て、筆者は激しく同意したのだが、皆さんはどうだろう?

温熱性能が高い住まいに暮らす人ほど、生活にムリ・ムダがない?

さて、「住まいの温熱環境の実態と満足度」の調査は、過去3回の調査で、「室温が高いと冬の防寒行動が少ない」、「温熱性能が高い住宅では、夏熟睡できる」など、住宅の温熱環境で生活行動に違いがあることを明らかにしてきた。第4回(2018年3月実施)では、冬季の生活行動・暮らしの関係などをより具体的に調査している。

調査対象は、一戸建ての持ち家に2人以上で住む既婚世帯。住宅の温熱性能を低・中・高の3つに分類して、意識や行動について比較している。温熱性能は、窓ガラスの種類への回答によって次のように分類しているが、これまでの調査によって、住宅全体の断熱性能と高い相関があることが確認されているという。
・温熱性能「低」:シングルガラス(N値:450)
・温熱性能「中」:複層ガラス(N値:484)
・温熱性能「高」:Low-Eペアガラス/トリプルガラス(N値:72)

今回の調査結果を分析した快適空間研究所では、生活行動に明確な違いがあった5つを「生活価値」として提示し、温熱性能が高いほど、「ムリ・ムダのない合理的な暮らしをしていることが推測される」とまとめている。

○温熱性能が高い住まいの5つの生活価値
(1)家事行動が「億劫でない」傾向に
(2)入浴時と睡眠・起床時に「不快でない」傾向に
(3)室内での「着衣と布団が少ない」傾向に
(4)寒さを解消するための「手間が少ない」傾向に
(5)空間利用の「無駄がない」傾向に

筆者が特に気になったのは、(1)と(5)だ。(1)はすでに紹介したので、次は(5)について見ていこう。

温度ムラ(住宅内の温度差)は部屋を閉ざすことでつくられる?

まず、冬に「家の中で寒くて使いたくない部屋やスペースがあるか」を聞いたところ、「ある」と答えたのは温熱性能「低」で35.7%、温熱性能「中」で30.9%、温熱性能「高」で27.4%で、温熱性能による差が見られた。

次に、「居間・食堂のドア・戸を開けたまま、広い空間で生活しているか」を聞いたところ、以下のグラフの結果となった。住まいの温熱性能の高さによって、大きな差が生じている。

【画像2】居間・食堂のドア・戸を開けたまま、広い空間で生活している(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

【画像2】居間・食堂のドア・戸を開けたまま、広い空間で生活している(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

今回の調査では、別に訪問調査も行っている。温熱環境に満足していると回答した7軒のお宅に訪問して、暮らし方を調査するだけでなく、サーモカメラを使って室内ごとの温度も測っている。訪問調査の結果では、温熱環境が悪いと思われがちな階段下に机を置いて勉強スペースとするなど有効活用をしている事例や、1階の各部屋の室内ドアを敢えて無くして開放的な間取りにした事例などがあったという。

また実際に各部屋の室温を測ってみると、室内ドアを開けたままのお宅のほうが「温度ムラ」がないということも明らかになった(画像3)。

【画像3】訪問調査の結果を一部抜粋(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

【画像3】訪問調査の結果を一部抜粋(出典/旭化成建材・旭リサーチセンター「第4回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査報告書」から転載)

実は筆者は、光熱費を削減しようと、一人でいるときはその部屋だけ冷暖房を入れるようにしている。そうすると、部屋を移動するとムッとする暑さやヒヤッとする寒さを感じたりする。掃除が億劫になるのは、室温だけでなく、温度ムラも原因になっていたのだと思う。今はまだいいが、年齢を重ねていくと温度ムラが体にこたえるようにもなるだろう。

そういえば、来客時に室内ドアをすべて開けて2台のエアコンで冷房をかけたときは、住宅内の温度ムラがなかったなあと思い出し、これからは開放的に暮らそうと思った次第だ。

ほかにも調査結果では、住宅検討時に「住まいの温熱性能」について調べるなどの情報収集や勉強をした人ほど、温度ムラのない住まいに満足する傾向が見られた。

住宅供給側の説明を聞くだけでなく、自ら住まいの性能について知識を得た人ほど、満足度が高い家を手に入れることができ、ムリ・ムダのない生活を過ごせるということなので、皆さんも住まい選びでは気になることは自らしっかり調べることをお勧めしたい。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159583_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

アメリカ発の「小さな家」 タイニーハウスで実現する“シンプルで豊かな暮らし”

$
0
0
いま注目されるアメリカ発の「小さな家」 で“シンプルで豊かな暮らし”を実現

ここ数年で注目を集めつつある「小さな家」、タイニーハウス。移動ができるタイプであれば、トレーラーハウスのように“移動する暮らし”を実現できる利点もあります。アメリカでは、サブプライム住宅ローンの破綻やハリケーンによる被害などをきっかけに、「大きな家が豊かさの象徴」という価値観は揺らぎ、「シンプルに豊かに暮らしたい」というタイニーハウス・ムーブメントが起こっています。こうした動きは今後、日本で広まっていくのでしょうか。YADOKARI株式会社が運営するタイニーハウスの宿泊施設で、同社プロデューサーの相馬由季(そうま・ゆき)さんにお話を聞きました。
低コスト、居住空間の移動を可能にする“小さな家”の魅力とは

YADOKARI株式会社はタイニーハウスに関するメディア運営やイベント企画を行い、相馬さんはプロデューサーとして携わっています。

YADOKARI株式会社のプロデューサーの相馬由季さん(写真撮影 ツマミ具依)

YADOKARI株式会社のプロデューサーの相馬由季さん(写真撮影 ツマミ具依)

――まずはタイニーハウスの定義を教えていただけますか。

明確な定義はありませんが、弊社では基本的に「約20平米前後の大きさで、1000万円以内で購入できる家」と設定しています。ホイールの上に設置された、自動車で牽引する移動式のタイプもあります。

1000万円以内を目安にしているのは、人によってはローンを組まずに支払える金額ですし、組む場合でも数年間の短いローンで返済可能な場合が多いからです。つまり、長年ローンを返すためだけに働く必要がなくなります。そうすると、働く時間を減らしたり、収入にこだわらず本当にやりたい仕事をしたりと、充実した人生を送ることができるというわけです。

――タイニーハウスは日本でどのようにして注目されるようになってきたのでしょうか。

大きなきっかけとなったのが東日本大震災です。未曽有の大災害がきっかけで、徐々に暮らしの価値観に変化がもたらされてきたように感じます。所有するモノを減らしてシンプルに生きよう、働き方や、大事な人との暮らし方を見直してみようといった価値観を持つ人が増え、その結果、タイニーハウスにも目が向けられるようになってきたのではないでしょうか。

タイニーハウスをつくり始めたり、タイニーハウスと本宅との二拠点居住の生活をしたりするなど、行動を起こす人も少しずつ現れてきました。最近は住宅関連のメディアなどでも、この用語が取り上げられるようになったと感じています。

「近いうちにタイニーハウスに住む予定でいま準備を進めています。自分の体験を役立てていきたいです」と相馬由季さん(写真撮影 ツマミ具依)

「近いうちにタイニーハウスに住む予定でいま準備を進めています。自分の体験を役立てていきたいです」と相馬由季さん(写真撮影 ツマミ具依)

――タイニーハウスの課題はどんなところでしょうか。

一番は土地の問題ですね。小さな家なので大きい土地は必要ないものの、土地を購入してそこに電気やガス、水道を引く必要がある場合は結局費用がかさんでしまいます。

次に、いざ購入しようと思っても手間がかかるという点です。まだ日本では扱っているハウスメーカーが少ないですし、セルフビルドしようとしても設計の依頼や建築材料の調達など、問題が山積みです。

YADOKARI株式会社が運営する「タイニーズ 横浜日ノ出町」では、3種類のタイニーハウスに宿泊できるので、暮らしを体験するにはもってこいだ (画像提供 YADOKARI株式会社)

YADOKARI株式会社が運営する「タイニーズ 横浜日ノ出町」では、3種類のタイニーハウスに宿泊できるので、暮らしを体験するにはもってこいだ(画像提供 YADOKARI株式会社)

――タイニーハウスに興味を持つのはどのような人が多いですか?

1年ほど前、2017年秋に実施した初回の参加者は50~60代の男性がメインでした。定年後のセカンドライフで、別荘のように使うことを検討している人が多かった印象です。

それが徐々に変化し、最近では男女問わず30~40代の方がメインになりました。みなさんバリバリ働かれている方ばかりです。これはアメリカでも同じような傾向があったのですが、「モノを持つだけ持って、大きな家に住んでみたけど、その先に自分の幸せはなかった」「お金はあるけども、仕事が忙しく家族との時間がとれない生活は望んでいない」といった、今までの自分の生き方や暮らし方に疑問を感じたときに、タイニーハウスに興味を持つ傾向があるようです。

「タイニーズ 横浜日ノ出町」のハウス内。小さな家に、ベッド、トイレ、風呂などが完備されている(画像提供 YADOKARI株式会社)

「タイニーズ 横浜日ノ出町」のハウス内。小さな家に、ベッド、トイレ、風呂などが完備されている(画像提供 YADOKARI株式会社)

また、最近地方自治体からは移住を前提とした多くの相談を受けています。遊休地の活用や人口減の対策としても、タイニーハウスは期待できると考えています。

ただし、小さな家で暮らすことそのものを目的としてしまうと、結果的に不幸になってしまうケースもあるんです。アメリカでブームになったときは、タイニーハウスに住めば幸せになれると期待して住みはじめたものの、「狭すぎる」と売ってしまう人もいたそうです。日本でも単にブームだというだけで購入してしまうと、後悔しかねませんので注意が必要です。

タイニーハウスが働き方、生き方を見直すきっかけに

タイニーハウスの全体像が見えてきたところで、実際に住んでいる方にもお話を聞いてみました。タイニーハウスに住んで4年になるNPO法人グリーンズ代表の鈴木菜央(すずき・なお)さんです。

NPO法人グリーンズ代表の鈴木菜央さん(画像提供 鈴木菜央さん)

NPO法人グリーンズ代表の鈴木菜央さん(画像提供 鈴木菜央さん)

――なぜタイニーハウスに住むようになったのでしょうか。

以前は、賃料12万円の150平米の2階建て賃貸住宅に住んでいましたが、一時期体調を悪くして仕事も行き詰まり、夫婦関係も良好ではないなど心身ともにボロボロの状態になりました。そこで生活を見つめ直し、「自分はどんな家でどんな暮らしをしたいんだろう」と考えていたときに、タイニーハウスに出合ったことがきっかけで住むことになったのです。
必要最低限のエコな暮らしに興味があったし、月々の賃料の支出を減らすことで少ない稼ぎでも生活は維持できる。そうすれば夜中まで仕事をしなくていいし、家族の時間も増える―――。このように総合的に判断して、とても合理的な生活ができると思いました。

千葉県いすみ市にある鈴木菜央さんのタイニーハウス。家族4人で暮らしている(画像提供 鈴木菜央さん)

千葉県いすみ市にある鈴木菜央さんのタイニーハウス。家族4人で暮らしている(画像提供 鈴木菜央さん)

――住んでみて分かったタイニーハウスのメリットとデメリットを教えてください。

狭いので片づけが楽、同じ部屋にいることが多くなり家族の距離が縮まるなどメリットはいろいろあります。しかし一番は、月々の賃料を支払う金銭的な不安から解放され精神的に自由になれたことです。このタイニーハウス自体は中古物件で4年ローンの480万円で購入し、最近支払いが終わりました。たった4年で住宅ローンが完済するなんて通常では考えられませんよね。また、光熱費も以前の半分ほどになり、賃料の負担が減った分とあわせて、家族で海外旅行をする費用などに回して楽しんでいます。

広さは、ロフト部分を含め約50平米。1階はリビング兼ダイニング、廊下兼キッチン、寝室、トイレです。ロフト部分は、天井が低い高さ140cmの子ども部屋と高さ110cmの荷物置きスペースという間取りになっています。

デメリットは、強いてあげれば、トレーラーでけん引して移動するので、家が多少傷んでしまう点が挙げられます。10トンの中古物件を購入したこともあって、トレーラーで運んだときの揺れで壁に亀裂が入ったり、水まわりが少し弱くなったりと一部損傷が発生しました。

また、正直「部屋が狭い」と感じることがあります。2人の子どもが大きくなってきていることも理由の一つです。その反面、家具をコンパクトにしたり、その他にも物を厳選して増やさないようにしたりと、生活を工夫できる楽しさがあります。それはそれで良い暮らしだと思っています。

室内の様子。ときには家具を一から製作し、空間を有効活用している(画像提供 鈴木菜央さん)

室内の様子。ときには家具を一から製作し、空間を有効活用している(画像提供 鈴木菜央さん)

――どんな人がタイニーハウスの暮らしに向いていると思いますか?

暮らすためにはいろんな工夫が必要になるので、日々冒険する感覚でデメリットも楽しめる人ですね。パッケージで、完成したものが欲しいという人には不向きといえるでしょう。

例えば、私の場合は部屋が狭いので、部屋と同じくらいのサイズのウッドデッキを造りました。ちょっとしたことなら外のデッキで作業ができたり、天気のいい日には食事をしたり、洗濯物を干したりできるようになりました。

このウッドデッキの増設により居住空間の移動は難しくなったものの、当面は移動せず、広くなった生活スペースで快適に過ごしたいそう。
働き方や生き方の多様化が進む昨今。シンプルで、状況に応じて移動も可能なタイニーハウスは、これからの住まい選びの選択肢の一つになっていくかもしれませんね。

●取材協力
・YADOKARI株式会社
・NPO法人グリーンズ元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159648_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

部屋探しで最も決め手になる家賃、ただしあきらめ度も高い!?

$
0
0
部屋探しで最も決め手になる家賃、ただしあきらめ度も高い!?

リクルート住まいカンパニーが「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)結果を発表した。部屋探しにおいて、最も決め手となるのは「家賃」、最もあきらめた人が多いのは「築年数」だという。ある意味分かりやすい気もするのだが、どうやらそう簡単な話でもないようだ。詳しく結果を見ていこう。【今週の住活トピック】
「2017年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)を発表/リクルート住まいカンパニー見逃せないのは、立地条件の影響

調査は、2017年4月~2018年3月に賃貸に入居し、物件選びに関与した人を対象に、2018年5月に行ったもの。
今回注目したいのは、部屋探しの際に「決め手となった項目」と「やむを得ずあきらめた項目」についてだ。

画像を見てほしい。図の縦軸が「決め手」度合い、横軸が「あきらめ」度合いで、上に行くほど決め手になり、右へ行くほどあきらめたことになる。

決め手となった項目×やむを得ずあきらめた項目(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

決め手となった項目×やむを得ずあきらめた項目(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

突出して上に飛び出ているのが「家賃」だ。かなり強く決め手になったことが分かる。次に上に位置するのが、「路線・駅やエリア」、その次が「最寄り駅からの時間」、僅差で「通勤・通学時間」が続く。つまり、立地条件については、かなり重視していることが分かる。

次に、あきらめた項目を見ていくと、最も右に位置しているのが「築年数」だが、次には「家賃」が来る。その次が「面積」、僅差で「最寄り駅からの時間」となる。つまり、「築年数は」もともと重視度が高くはなく、あきらめるのも早いが、「家賃」はかなり決め手になる一方で、あきらめた度合いも高くなっているのだ。

家賃(の高さ)をあきらめる理由として考えられるのは、立地条件だろう。中でも「最寄り駅からの時間」はある程度妥協できたとして、「路線・駅やエリア」や「通勤・通学時間」へのこだわりは強く、家賃を予算より上げざるを得なかった人が多くいたと推測できる。

また、「広さ」や「間取り」もある程度重視するが、家賃との見合いで希望より狭いものを選んだという動きも見て取れる。

「初期費用」については、高額になるが入居時だけ発生するものなので、家賃ほどは重視せずあきらめも早いということだろう。

エアコンは必須アイテム?24時間可のゴミ置き場は「あったらうれしい」

さて、賃貸物件で重視する設備に目を移してみよう。

「次に引越すときは(も)絶対欲しい」(「できれば欲しい」を除く)設備のTOP3は、「エアコン」「独立洗面台」「TVモニター付きインターフォン」となり、昨年と同じだった。また、「24時間出せるゴミ置き場」「浴室乾燥機」が昨年から大きく伸びたという(画像)。

次引越す際に欲しい設備 上位20項目(全体/複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

次引越す際に欲しい設備 上位20項目(全体/複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

設備の重視度は、無かったから次は欲しいのか、あったから次も欲しいのか、無かったから欲しいかどうか分からないのかなどの違いがあるので、単純に数値だけを見て分析するのは難しい。

調査では、設備を利用した人に満足度(「満足している」の比率で「やや満足」を除く)を聞いているので、資料から利用した人の数が分かる。利用者が多い=賃貸で普及していると類推してみよう。利用したことのある設備で多い順に、「エアコン」「都市ガス」「独立洗面台」「TVモニター付インターフォン」「インターネット接続可(有料の個別契約要)」「温水洗浄便座」「追い焚き機能付き風呂」となる。

利用者数の最も多い「エアコン」は、設備の満足度は58.2%(12位)だが、次も絶対欲しいと74.7%(1位)が考えている。つまり必須アイテムということだろう。「独立洗面台」(満足度58.0%/13位)や「TVモニター付きインターフォン」(満足度61.3%/7位)も同じ流れだ。

一方、「24時間出せるゴミ置き場」は、利用者数はそこそこだが満足度は1位(71.1%)。絶対欲しい優先順位は少し下がるものの、あると便利なので「けっこう欲しいかも」となるのだろう。満足度3位(66.5%)の「宅配ボックス」も同じ傾向が見られる。

「遮音性能の高い窓」(67.8%/2位)と「無料インターネット完備」(65.6%/4位)は、満足度はかなり高いが、利用者数がまだ少ないので「絶対欲しい」のスコアが上がってこないと推測できる。

立地や広さVS家賃、設備の充実度VS家賃など、互いに関係性が深いのが賃貸住宅市場だ。部屋探しの際には、「何を重視すれば毎日快適に過ごせるのか」をよく考えて、優先順位をきちんとつけるのが良いだろう。イメージがよいとか、あったら便利そうといった観点で選ぶのは後悔の元になりかねない。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/09/158968_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

スター猫のお宅訪問![1]インスタ・ブログで人気の「どんこ」と写真家・井上佐由紀さん、外山輝信さんの暮らし

$
0
0
スター猫のお宅訪問![1]インスタ・ブログで人気の「どんこ」と写真家・井上佐由紀さん、外山輝信さんの暮らし

コーヒーショップやインテリアショップが並ぶ渋谷の住宅街。その一角にある築54年のマンションに暮らすのは、写真家の井上佐由紀さんとマネージャーの外山輝信さん。そして、インスタグラムやブログ、雑誌などで人気のスター猫・どんこちゃん(オス、10歳、スコティッシュフォールドのミックス)だ。その暮らしぶりを拝見した。【連載】スター猫のお宅訪問!
インスタグラムで人気のキーワードといえば「猫」。多くのフォロワーを魅了するスター猫たちは、どんな暮らしを送っているのだろう。暮らしの工夫や写真の撮影のコツなどを聞いてみた。どんこちゃんが、グレーが美しいモルタル仕立てのリビングへご案内井上さん撮影のどんこちゃん(画像提供/井上佐由紀さん)

井上さん撮影のどんこちゃん(画像提供/井上佐由紀さん)

取材スタッフがお邪魔すると、井上さん・外山さんとともに玄関でお出迎えをしてくれたどんこちゃん。人見知りはせず「お客さんが大好き」というどんこちゃんが案内してくれたのは、モルタル仕立てのグレーが美しいリビングだ。

「最初はここまでモルタルにするつもりはなかったんです。床はモルタルにしたくて、壁はほかの素材も検討していたのですが、雰囲気も統一できるので結局全部モルタルにしました。ただ、最初の1~2週間は筋肉痛になりましたけど(笑)」(外山さん)
「モルタルの床ってすごく足が疲れるんですよ。もう慣れましたけどね(笑)。フローリングも硬いと思いつつも、やはり木の弾力性ってあるんだなと思いますね」(井上さん)

アートを集めるのも好きだという井上さんと外山さん。壁面収納にはお気に入りのアートをディスプレイ(写真撮影/片山貴博)

アートを集めるのも好きだという井上さんと外山さん。壁面収納にはお気に入りのアートをディスプレイ(写真撮影/片山貴博)

二人が中古マンションを購入・リノベーションしたのは2011年。購入の際は、物件探しからリノベーションまでをトータルでお願いできる会社に依頼をしたそう。物件を探す際に、まずポイントとしたのが立地。

「仕事柄、遠くに住んでいても都心に来ないといけないことが多いなかで、私は出かけるギリギリまで寝ていたいタイプなので(笑)、移動時間が少ないとなると都心かなと」(井上さん)
「建物の価値ってすぐ下がってしまいますけど、土地の値段ってそこまで急には下がらないから、とりあえず立地で選んだほうがいいですよとお願いしたその会社の方に言われて。広さは、それは広いに越したことはないですけど予算の範囲内で。二人だけの生活だし、それほど広さが必要でもないですしね。あと20平米くらい広ければいいなとは思いますけど、多分もう少し広くてもあと20平米くらいあればと思うだろうし、結局きりがないんですよね。あと、狭いほうが掃除が楽ですしね」(外山さん)

井上さん、外山さん宅の間取り

井上さん、外山さん宅の間取り

立地とともにこだわったもうひとつのポイントが、猫と暮らせることだ。ペット可物件を購入し、時を同じくして出会ったのが、どんこちゃんだった。

「以前からたまに、友達が旅行に行くときなどに猫を預かったりしていたんです。その子も愛想がよくて、膝の上に乗ってくるのを見ると猫と暮らすのもいいなと思って。その子も保護猫で、そういうシステムがあることを知って、インターネットの譲渡サイトで探しているときにどんこを見つけて。『こいつだ!』と思ったんです。けれど、外山さんや友人に見せたら、『なんでこいつなの?』と言われて(笑)」(井上さん)
「里親さんがガラケーのカメラ機能で撮った写真だったので、画質もすごく悪いしピンとこなかったんですよね(笑)。でも、井上が飼いたいという気持ちがあるならいいかなと思って」(外山さん)
「私が『こいつがいい!』って引かなかったんですよね。会いにいったら、ほかの子が隠れたりシャーシャーって声を出しているなかで、どんこはのんきにウロウロしていて、私のほうに近づいてきて。それはもう運命だと思っちゃいますよね」(井上さん)

井上さんが大好きなどんこちゃん。膝の上もお気に入り(写真撮影/片山貴博)

井上さんが大好きなどんこちゃん。膝の上もお気に入り(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのお気に入りのおもちゃは、フェルトでできたボール(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのお気に入りのおもちゃは、フェルトでできたボール(写真撮影/片山貴博)

部屋は猫も人も心地よく、すっきりと

猫を飼うのははじめてだったという井上さんと外山さん。運命的な出会いを経て、どんこちゃんは晴れて家族の一員となった。どの家でも自分の居場所のようにくつろげるというどんこちゃんは新居にもすぐ慣れたという。取材中も部屋を歩いたり机の上に寝転んでインタビューを聞いていたりとマイペースに過ごしていた。

取材中、お腹がすいてお昼ごはんを。ごはんは一気に食べる派(写真撮影/片山貴博)

取材中、お腹がすいてお昼ごはんを。ごはんは一気に食べる派(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのドライフードは瓶に入れて保存(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのドライフードは瓶に入れて保存(写真撮影/片山貴博)

「お客さんのことが好きで、来客中もずっとウロウロしているんですよね。はじめて飼う猫なのであまり猫のことを分かっていなかったんですけど、よその子を預かったりすると、どんこは動きがどんくさいなって思います(笑)」(井上さん)

ものが少なくすっきりとした部屋は、猫にとっても過ごしやすそう。外山さんはあまりものを置きたくない派なのだとか。

キッチンは、モルタル仕立ての空間とよく合うステンレス製(写真撮影/片山貴博)

キッチンは、モルタル仕立ての空間とよく合うステンレス製(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

「引越す前からものが少ないとは言われていたんですけど、引越し後もさらに減らしていきました。外山さんはもともと本を集めるのが趣味でレアな本や写真集が並んでいたんですけど、全部売ってしまったんです」(井上さん)
「なるべくものを増やしたくないので、本も読んだら捨てる。たくさん並べていても自慢しているだけになってしまうというか。結局出して見ないし、それだったら意味ないなと思って。音楽もCDでは一切買わずデータです。あと、掃除に時間をかけるのが無駄だなと思ったんです」(外山さん)

スッキリとした空間には、ちょっとした猫への配慮も壊れてしまうものは壁面収納の中段に。口から煙が出るという猫のお香立ては「H.P.FRANCE」で購入(写真撮影/片山貴博)

壊れてしまうものは壁面収納の中段に。口から煙が出るという猫のお香立ては「H.P.FRANCE」で購入(写真撮影/片山貴博)

「棚の上にガラス製のものを置いていたときはよく落とされていたので、全部中段に入れたんですよ。どんくさいせいか、中段に入ることはできないみたいで、割られることはなくなりましたね。割れるものや小さいものは買わなくなりました」(井上さん)
「一人掛けのソファはもともとファブリックだったんですけど、友達の猫を預かったときに爪とぎをしてしまうので革に張り替えたんですよ。床の円形クッションはなぜ中途半端なところに置いているかというと、どんこが机から飛び降りたときに足が痛くないようにと思って置いたんです。けれど、実際は人間が気遣いをしてもそうではないところに降りるから意味ないんですけどね(笑)。あと、どんこはティッシュを食べてしまうので、友達がつくってくれたふたつきのティッシュケースを使っています」(外山さん)

モルタル仕立てのスタイリッシュな空間。ダイニングチェアはフリッツ・ハンセンの「セブンチェア」、パッチワークのソファは中目黒「HIKE」でオーダー(写真撮影/片山貴博)

モルタル仕立てのスタイリッシュな空間。ダイニングチェアはフリッツ・ハンセンの「セブンチェア」、パッチワークのソファは中目黒「HIKE」でオーダー(写真撮影/片山貴博)

「特に、猫のために何かをやっているわけではない」という部屋は、時とともに自然と、人間も猫も居心地がいい空間になっていっているようだ。どんこちゃんと暮らして7年。いまや雑誌のカバーを飾り、カレンダーも発売されるなどスター猫となったどんこちゃん。「どんこちゃんに会いたい!」と家を訪ねてくれる人も増えたのだとか。スター猫の飼い主と聞くとさぞ猫好きだろうと思いきや……。

「僕たちすごく猫好きに思われるんですけど、特別に動物が好きなわけじゃないんですよね(笑)。ほかの猫にわざわざ会いに行くこともないし」(外山さん)
「そうなんです。どんこが好きなだけなんです(笑)」(井上さん)

本当に必要なものと暮らす、無駄のないシンプルでコンパクトな暮らし。それはとても豊かな空間と暮らしだった。

リビングの窓際でくつろぐどんこちゃん(写真撮影/片山貴博)

リビングの窓際でくつろぐどんこちゃん(写真撮影/片山貴博)

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159540_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

中古リノベを選ぶ独身女性が増加中! リノベ女子の暮らしとは

$
0
0
中古リノベを選ぶ独身女性が増加中! リノベ女子の暮らしとは

東京をはじめ首都圏で、中古マンションをリノベーションする一人暮らしの女性が増えている。住まいに合わせて暮らすのではなく、住まいを自分らしく変えられるリノベーション。今回は、中古マンションを購入してリノベーションし、理想の暮らしをかなえた「中古リノベ」の実例とともに、選択する人が増えている背景やメリット・デメリットを紹介する。
賃貸・新築購入に並び「中古リノベ」も次の住まいの選択肢に

「実は中古マンションを買って、リノベーションしたんだ」という知り合いが周りにチラホラ現れ、「中古リノベ」が賃貸への引越しや新築マンションの購入と同じような感覚で、次の住まいを考える際に選択肢のひとつになってきていることを実感している人も多いだろう。
ある程度カスタマイズできる賃貸や新築も増えているが、なぜ中古物件を買ってリノベーションをする「中古リノベ」を選ぶ人、特に単身の女性が増えてきているのか。リノベーションのメリット・デメリットと照らし合わせながら、その理由を探っていこう。

「中古リノベ」は住まいに感性を反映できる点が大きなメリット

10年ほど前までは、住まいに手を加える場合、“リフォーム”と呼ぶことが多かったが、現在は“リノベーション”と呼ぶ場合がほとんどだ。両者の違いを一般社団法人 リノベーション協議会では、壊れたトイレの交換や破れた壁紙を張り替えるなどの“原状回復”がリフォームであるのに対し、使える箇所があれば残しつつ暮らしに合わせた家全体の改修をリノベーションと定義している。従来はパーツの組み合わせが中心の「修繕」という概念から、最近は空間全体をオーダーメイドする人が増え、その自由度も格段に大きくなっていると言える。

画像提供/リノベーション協議会

画像提供/リノベーション協議会

159566_sub02

同協議会の樽宏彰さんによると、リノベーションをする人が増えてきた理由は「住宅ローンを組むことが可能になった」点が最も大きいという。20年くらい前までは、リノベーション費用を住宅ローンで一本化して組むことができず、現金で支払うか、別途金利の高いリフォームローン等で手当てするしかなかった。「リノベーション済み物件」が登場し、中古相場で「リノベーション」の価値が認知されるようになり、追いかけるようにここ10年で「中古物件+リノベーション」の一本で住宅ローンを組めるようになった。

「中古リノベ」を選ぶ人のなかでも単身の人は、「賃貸で保証人などで苦労しなくて済むように所有しておく『将来の住まいに対する備え』、新築ほど高価な資産は必要ないが自分らしい暮らしがしたい『経済合理性を求めつつ資産形成』の視点をもっている方が多いように思います」と樽さん。

特に女性には、インテリア好きや料理などの趣味をもつ人も多い傾向があり、実現したい暮らしをイメージすること、つまり感覚的な部分から、マンションの購入を検討しはじめるという。

賃貸とは違い、自分のものになること。未完成の新築物件とは違い、現状を確認して購入し自由に設計できること。そして何より、“新築にはない味わい”があることが、感覚的な部分からスタートしている彼女たちにとって、大きく響くのだろう。

リノベーションの認知度・関心度に関する調査「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー※詳細は記事末にて) リノベーションの認知度は96.9%、関心度は52.1%で、2016年時点で2012年の約1.8倍に。世帯別では、男女ともにシングル層の認知度が高いことが分かる

「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー※詳細は記事末にて)
リノベーションの認知度は96.9%、関心度は52.1%で、2016年時点で2012年の約1.8倍に。世帯別では、男女ともにシングル層の認知度が高いことが分かる

「中古リノベ」のデメリットを理解した資金計画が重要

ただし、「中古リノベ」にはメリットばかりでなくデメリットもあるので注意が必要だ。マンションの面積や築年数、耐震性などの条件によって、住宅ローン減税制度(ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除される制度)が使えない場合や、住宅ローンが組めるようになったとはいえ、物件価格+リノベ工事費のフルローンを組むことが難しい場合がある。

特に単身の場合は、一人で完済できるかを問われるため、無理のない資金計画が重要となる。中古マンションの購入に当たっては、年収や勤続年数などで借りられる金額に差が出るが、自己資金が必要な場合があり、早い段階で不動産会社経由でローンの相談をしておくといいだろう。一般的に「年収の5倍、年間の所得に対して25%のローンの支払い」の範囲に収めるのが理想的とされるので、参考にしよう。

“理想の暮らし”を形にした実例を紹介

身を置きたい空間のイメージがふくらみ、資金を用意できたら、準備万全! 「中古リノベ」を実現させるには、どんなステップを踏むのか。東京都豊島区の中古マンションを購入し、リノベーションを行ったKさん(40代・女性・独身)の実例を紹介しながら、その流れを追っていこう。

天井や配管がむき出しになった躯体現しの内装。それでも優しい質感の白い壁や木のフローリングに温もりを感じられ、Kさんが買い集めた古家具やアンティークの照明が良く合う(写真撮影/masa(PHOEBE))

天井や配管がむき出しになった躯体現しの内装。それでも優しい質感の白い壁や木のフローリングに温もりを感じられ、Kさんが買い集めた古家具やアンティークの照明が良く合う(写真撮影/masa(PHOEBE))

以前は家族所有のマンションで暮らしていたKさん。駐車場の隅で偶然出会った生まれたばかりの野良猫、現在は一緒に暮らす「わさび」(取材時3歳・メス)との出会いが「中古リノベ」への背中を押した。

「管理規定でペットが飼えないマンションだったのですが、そのまま見捨てることもできず、里親を探したり、友人に預けたりしていました。しかし、引き取り手が見つからず、安心して飼える環境が必要だと感じました」とKさん。また、蚤の市やアンティークショップなどを巡り、掘り出し物を探すのが好きなKさんは、「自分の暮らしの理想形があったのと、40代という年齢は、ローンを組むならそろそろリミットかなと思って」と、このタイミングでマンション購入に踏み切った理由を振り返る。

内覧した際に気になったという梁の出っ張りは、躯体現しで活かした。左側に写る対面式キッチンのカウンターは、この雰囲気に合う質感をもち、水に強いモールテックス仕上げに(写真撮影/masa(PHOEBE))

内覧した際に気になったという梁の出っ張りは、躯体現しで活かした。左側に写る対面式キッチンのカウンターは、この雰囲気に合う質感をもち、水に強いモールテックス仕上げに(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓の外には視界を遮る物がなく、カーテンが不要なほど。カーテンレールは今や、植物をつるすために機能している(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓の外には視界を遮る物がなく、カーテンが不要なほど。カーテンレールは今や、植物をつるすために機能している(写真撮影/masa(PHOEBE))

物件探しへと動き出し、当初は新築やリノベ済み物件を探した。しかし、イメージする暮らしと間取りが合わず、中古マンションを買って、自分好みに変えようと思うようになったという。条件はまずペット可であること。そして以前の住まいより広い50平米以上、通勤に便利な場所、駅徒歩数分以内であることなどを優先項目に挙げ、ピックアップした物件を不動産屋さんと約2カ月半、毎週2、3件、計10件ほど内覧した。

LDKには、わさびが運動できるようにキャットウォークを設けた。登りやすさはもちろん、年を取ってわさびが遊ばなくなったら棚として使えるようにも考慮されている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKには、わさびが運動できるようにキャットウォークを設けた。登りやすさはもちろん、年を取ってわさびが遊ばなくなったら棚として使えるようにも考慮されている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKにはキャットトンネルがあり、キャットトイレがある洗面脱衣室につながっている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKにはキャットトンネルがあり、キャットトイレがある洗面脱衣室につながっている(写真撮影/masa(PHOEBE))

その際、「SUUMOジャーナルに掲載されていた『中古マンション見学のポイント』を参考に、部屋以外にもマンションのゴミ置き場、駐輪場が整理整頓されているかなど管理状態もチェックしました」とKさん。築年数がたっているが、管理体制がしっかりしていることもあって気持ち良く過ごせているという。

現在住む物件は、候補のなかで当初の条件に合う順位としては下位のほうだったというが、「当時現在のLDK部分を仕切っていたアコーディオンカーテンを開けたとき、視界が開けたのが気持ち良く、見晴らしが気に入って購入を決めました」

部屋が細かく分かれていた約71平米の2LDKを、ドアがなく緩やかに区切られた1LDKに変更。さらに玄関土間を広げ、オープンな収納にしたことで、よりのびやかな空間に生まれ変わった(画像提供/インテリックス空間設計)

部屋が細かく分かれていた約71平米の2LDKを、ドアがなく緩やかに区切られた1LDKに変更。さらに玄関土間を広げ、オープンな収納にしたことで、よりのびやかな空間に生まれ変わった(画像提供/インテリックス空間設計)

フィーリングが合う会社や担当者との出会いも重要

物件探しの段階からリノベーション会社に依頼すれば、物件探しからリノベーション工事まで、ワンンストップで行ってくれる。その場合は、どの壁が壊せて、どの部分が変えられないなど、アドバイスを受けながら物件を探すことができるので、効率が良いと言えるだろう。

しかしKさんの場合は自分で物件を探し購入したため、希望を実現できるリノベーション会社を別途探す必要があった。Kさんは雑誌などを見て気に入る事例ページをブックマークして、その数が多い3社ほどに連絡。好きなインテリアショップなどの話が合った会社に依頼することにした。

LDK入口のアンティークの扉。プランが決まる前にKさんが一目ぼれし購入したもので、補修して使用している。リノベーション会社によって、部材の持ち込みは不可の場合があり注意が必要(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDK入口のアンティークの扉。プランが決まる前にKさんが一目ぼれし購入したもので、補修して使用している。リノベーション会社によって、部材の持ち込みは不可の場合があり注意が必要(写真撮影/masa(PHOEBE))

洗面台のレトロな鏡は、引越し祝いに友人からプレゼントしてもらったもの。こだわりがなかったという水まわりの機能はシンプルに。その分居室に予算を回し、費用面でメリハリをつけた(写真撮影/masa(PHOEBE))

洗面台のレトロな鏡は、引越し祝いに友人からプレゼントしてもらったもの。こだわりがなかったという水まわりの機能はシンプルに。その分居室に予算を回し、費用面でメリハリをつけた(写真撮影/masa(PHOEBE))

設計担当者とは、1カ月半で5回ほど打ち合わせを行い、3パターンほど提案があったという。「担当者とはひたすら意見交換し、一緒に1カ月半の間、ひたすら部屋のことを考えていました。自分の好みを突き詰める、いい時間だったと思います。大変な面もありましたが、その分、図面、そして部屋が完成したときは感動しました」

リノベーション会社の担当者のアドバイスに沿って近隣住民への挨拶を行い、購入契約後から工事を開始。入居はその4カ月後になった。

お気に入りだけに囲まれた自分仕様の住まい

現在の住まいでKさんは、休日にはインナーテラスで本を読んだり、ソファに腰掛けてDVDを観たりと、目的なしにゆっくり過ごしているそう。

寝室に設けたインナーテラスは、主に南向きで2面採光のため、日当たり・風通しともに良好。梁の出っ張りと床タイルでの切り替えが、寝室とインナーテラスとを視覚的に区切る(写真撮影/masa(PHOEBE))

寝室に設けたインナーテラスは、主に南向きで2面採光のため、日当たり・風通しともに良好。梁の出っ張りと床タイルでの切り替えが、寝室とインナーテラスとを視覚的に区切る(写真撮影/masa(PHOEBE))

模様の入ったすりガラスが味わい深い棚も、Kさんが以前の住まいから使っていた古家具のひとつ。以前は食器棚としての役割を果たしていたが、現在の住まいでは本棚に(写真撮影/masa(PHOEBE))

模様の入ったすりガラスが味わい深い棚も、Kさんが以前の住まいから使っていた古家具のひとつ。以前は食器棚としての役割を果たしていたが、現在の住まいでは本棚に(写真撮影/masa(PHOEBE))

「以前から気になってはいたものの、中古マンションを買ってさらにリノベーション工事と、ゼロからやるのは難しいと最初は思っていました。でもちょっとした理由から実際に動いてみて、振り返ると意外と思い通りに部屋全体を自分仕様にできたので、『中古リノベ』がブームとなっている理由が分かる気がします」

都心にもかかわらず、日当たり・風通しがよく開放的で心地よい空間。古くから建つため、恵まれた立地条件であることが多いのも中古マンションならではのメリットだ。わさびもこの部屋にお気に入りの場所をたくさん見つけ、のびのび暮らしている。

インナーテラスで日向ぼっこをするわさび。風通しを良くするために開けられたウォークインクローゼットの上やインナーテラスのカウンターなど、お気に入りの場所を教えてくれた(写真撮影/masa(PHOEBE))

インナーテラスで日向ぼっこをするわさび。風通しを良くするために開けられたウォークインクローゼットの上やインナーテラスのカウンターなど、お気に入りの場所を教えてくれた(写真撮影/masa(PHOEBE))

部屋が完成した後も少しずつ手を加えながら、自分らしい暮らしを満喫しているKさん。「家に居る時間が増えたのと、余計なものを買わなくなりました。本当に気に入ったものしかこの空間に置きたくないので」と、部屋全体を愛おしそうに眺める様子が印象に残った。

窓が多くドアが少ない開放的なKさんの住まい。好みの内装写真を通して建築士とイメージを共有。特に取り入れたかった室内窓にはこだわり、色とサイズを入念に確認して造作した(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓が多くドアが少ない開放的なKさんの住まい。好みの内装写真を通して建築士とイメージを共有。特に取り入れたかった室内窓にはこだわり、色とサイズを入念に確認して造作した(写真撮影/masa(PHOEBE))

●取材協力
リノベーション協議会●実例の設計・施工
インテリックス空間設計●調査概要
「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー)元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159566_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

年末に大掃除をやりますか? 気持ちよく新年を迎えたいVS年末は忙しい

$
0
0
年末に大掃除をやりますか? 気持ちよく新年を迎えたいVS年末は忙しい

花王とダスキンが、年末の大掃除についての調査結果を相次いで発表した。2017年の年末に大掃除をした割合は、それぞれ55.7%/57%と似たような割合だった。つまり、半数近くが年末に大掃除をしなかったわけだが、大掃除をした派・しなかった派で、どういった違いがあるのだろうか?【今週の住活トピック】
「年末大掃除の実施」に関する調査結果を公表/花王
「14回 大掃除に関する意識・実態調査」を公表/ダスキン半数近くが年末に大掃除を実施しなかった!?

昨年の年末に大掃除をしただろうか? それぞれの調査結果は、次のように類似した比率になった。

○花王:年末大掃除実施率57%(2011年調査の66%から大幅ダウン)
○ダスキン:年末の大掃除実施率は55.7%(2005年の調査開始以来2番目に低い比率)

大掃除の実施頻度についてダスキンの調査結果を見ると、「大掃除をほとんどしない」(22.1%)という人もいれば、「2年に1回」(14.9%)、「3年~5年に1回」(5.6%)という人もいて、たまたま2017年には実施しなかったという人もいるようだ。

大掃除の実施頻度(出典/ダスキン「14回 大掃除に関する意識・実態調査」)

大掃除の実施頻度(出典/ダスキン「14回 大掃除に関する意識・実態調査」)

大掃除は普段やらないところまで掃除するチャンス?

ダスキンは「20歳以上の男女」を対象に調査しているのだが、「大掃除をした理由」を聞いたところ、「気持ちよく新年を迎えたいから」という回答が最多の39.4%だった。一方で、専業主婦に限定してみると「普段の掃除で行き届かないところをキレイにしたいから」が44.1%で最多となった。

「普段やらない場所まで掃除したい」という思いは、「20代~60代の既婚女性」に調査した花王の結果も同じで、79%(そう思う36%・ややそう思う43%)の既婚女性がそう思うと回答している。大掃除という建前があるからこそ、普段やらないところまで掃除をしようと思うようだ。

年末大掃除は「普段やらない場所まで掃除したい」と思う割合(出典/花王「年末大掃除の実施」に関する調査結果)

年末大掃除は「普段やらない場所まで掃除したい」と思う割合(出典/花王「年末大掃除の実施」に関する調査結果)

普段からこまめに掃除をしていれば年末に大掃除をする必要はない?

では、「大掃除をしなかった理由」は何だろう?

花王の調査結果によると、「普段からこまめに掃除している」(33%)、「年末は忙しくて時間がとれない」(32%)というものだった。ダスキンの調査でも、「普段こまめに掃除をしているから」が大掃除をしなかった理由の最多ということなので、時間的な問題もあるものの普段の掃除で十分と考えている人も多いことが分かった。

季節に合わせて掃除をするのもおススメ?

ちなみに筆者は、毎年年末に大掃除をしている。やはり「家をきれいにして新年を迎えたい」と思うからだ。といっても最近では、普段おろそかにしている天井や壁、家具のすき間、照明のカバーなどの掃除を加える程度にしている。

その代わりに、季節ごとにしっかり掃除する場所を決めるようにしている。例えば、
・エアコンの掃除は、花粉シーズンが終わり(花粉症なので)冷房を入れる時期が来る前にする。
・窓を開けたままにできる初夏に、カーテンの洗濯や床のワックスがけをする。
・水洗いが苦にならず、油汚れが落としやすい、暖かい時期にキッチンを掃除する。
・豪雨の後、ガラスが濡れているときにガラスを拭く。
あとは、浴室のカビが気になったらそのときというように、気になったときにその場所を掃除するようにしている。

加えて、自分では汚れを落としきれないと思う換気扇(レンジフード)や浴室などは、クリーニング専門業者に依頼している。ただし、スケジュールが調整しづらく高額な年末は外すようにしている。

筆者はこういった掃除を実践しているのだが、一体いつ大掃除をしていると言えばよいのだろうか?

さて、年末が近づいて、そろそろ今年の大掃除が気になるタイミングになってきた。お宅では今年の年末、大掃除で普段やらないところまで掃除するのだろうか、それともこまめに掃除をしているので普段通りの掃除で済ませるのだろうか?どちらにせよ、気持ちよく新年を迎えたいものだ。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159744_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

東京五輪の選手村が巨大タウン「HARUMI FLAG」に【速報】

$
0
0
01_HARUMI FLAG完成予想CG_result

「東京 2020 オリンピック・パラリンピック」の後、東京・晴海に建設中の選手村がマンションや商業施設などで構成される巨大な街「HARUMI FLAG」になる。2018年10月31日(水)、「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」発表会にて開発コンセプト・ビジョン・名称が明らかになった。
5632戸を分譲住宅・賃貸住宅に

アツいドラマが繰り広げられる裏で、主役たる選手たちのオアシスとなる選手村。そんな舞台が、なんと開催後にマンションとして住めるようになる! しかも技術の粋を尽くした巨大な街になるという。その名も「HARUMI FLAG」。

約13ヘクタールの広大な土地に5つの街区で構成され、5632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計で24棟が建築されるほか、保育施設、介護住宅などを整備。人口約12000人になる予定とのこと。その内容は?

「HARUMI FLAG」4つのテーマ

この新しい街が掲げるテーマは以下の4つ。

●ゆとりと変化を街に生み出す

5街区・6街区・7街区・小中学校に囲まれたCENTER CORE 完成予想 CG

5街区・6街区・7街区・小中学校に囲まれたCENTER CORE 完成予想 CG


駐車場は地下に設け、地上スペースを有効に活用。6街区:FLAG CORE 前の辻広場完成予想 CG

駐車場は地下に設け、地上スペースを有効に活用。6街区:FLAG CORE 前の辻広場完成予想 CG

広大な敷地には、直径約100mのCENTER CORE(中心広場)をはじめ、辻広場、中庭などのオープンスペースがそこかしこに。住居は2階以上に設け、各棟の1階は店舗や共用室にすることで、住人同士の交流が生まれるように工夫してある。

●本物の自然に包まれて暮らす

緑道公園と4街区の海からの風景完成予想CG

緑道公園と4街区の海からの風景完成予想CG


5街区:DOTS PLAZA 完成予想 CG

5街区:DOTS PLAZA 完成予想 CG

三方を海に囲まれたロケーションを活かし、開放的な海の眺めなどを満喫できる設計になっている。レインボーブリッジや東京タワーなどの東京ならではの景観を生活空間で楽しめるなんてぜいたく! 街中には約3900本、約100種の樹木が植えられ、四季の移ろいも感じられる。

●日本らしさが息づく

まちづくりには、日本の建築シーンをリードする気鋭のデザイナー25人が参加。統一感を大切にしつつも、それぞれの個性を活かしたデザインを実現した。

街路からエントランスに至るまで光の使い方を細かく設定したり、スカイラインに建築物の左右対称性をあえて崩す日本の伝統的手法「ダイナミックシンメトリー」を採用するなど、街の景観にもこだわる。

また「細部への気遣いとおもてなし」もポイントのひとつ。マンションでは、共用廊下を1.5m(通常のマンションでは1.2m)と広くし、車いすと人がすれ違えるゆとりをもたせている。17人乗りの大型エレベーターやバリアフリー法で定められた基準よりもゆるやかな 1/20(5%)以下の勾配スロープを設けるなど、街全体が誰もが快適に暮らせる空間となる。

●ご近所でつながる、分け合う

6街区:SORA TERRACE完成予想CG

6街区:SORA TERRACE完成予想CG


05街区:SPORTS BAR 完成予想 CG

5街区:SPORTS BAR 完成予想 CG


08_6街区:KODOMO PLAZA完成予想CG_result

6街区:KODOMO PLAZA 完成予想 CG


09_7街区:商業施設完成予想CG_result

7街区:商業施設完成予想 CG

タワー棟を除く分譲住宅では、2LDK~4LDKの1009通りの間取りを用意。分譲街区にはブックラウンジ、スポーツバー、キッズルーム、「CRAFT ROOM」など51の共用室が設置され、区の住民であれば街区を超えて利用可能。カーシェアリング、シェアサイクルなどシェアサービスも利用できるので、あわせて利用するのも楽しそう。

賃貸街区にも、シェアハウスやシニア住宅、介護住宅が設置される。スーパーマーケットや生活支援施設などの商業施設などのほか、小中学校、保育施設も設置される予定。

また、街のイベントや災害時のお知らせなどの街の情報が掲載される「タウンポータル」、地域のエネルギー状況を共有・管理する「エネルギーマネジメント」、街全体を監視する「セキュリティ」など、街全体をネットワークで繋いだサービスも提供される。

模型。次世代のエネルギーを供給する「水素ステーション」が設置されるなど、環境にも配慮した街になる

模型。次世代のエネルギーを供給する「水素ステーション」が設置されるなど、環境にも配慮した街になる

都心直結の新交通システム「BRT」を導入

「HARUMI FLAG」は、銀座へ約2.5km、東京へ約3.3kmと都心部へも好アクセスなだけでなく、豊洲まで約2.1km、国際展示場まで1.4km、台場まで約2.8kmと、湾岸エリアにも行きやすい場所に誕生する。交通には新たにBRT(バス高速輸送システム)が導入され、「HARUMI FLAG」と新橋駅・虎ノ門を結ぶ。新橋駅発5時台~24時台の運行が検討されており、朝のピーク時には1時間あたり12本の便が走るとのこと。朝のピーク時でも都心へのスムーズな移動が可能になる予定だそう。

選手村に住める、というだけでもワクワクするのに、さらにこんな未来な暮らしが待っているなんて……。価格はまだ発表されていないが、今から待ちきれない!

発表会時の様子

発表会時の様子

●今後のスケジュール
2019年 春 モデルルーム事前案内会開始
5月下旬 販売開始予定
2022年 秋 住宅棟(板状)竣工予定
2024年 3月 住宅棟(タワー)竣工予定元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/07084c7344689f8cb7b9c8bb8053b8921.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

部屋探しで最も決め手になる家賃、ただしあきらめ度も高い!?

$
0
0
部屋探しで最も決め手になる家賃、ただしあきらめ度も高い!?

リクルート住まいカンパニーが「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)結果を発表した。部屋探しにおいて、最も決め手となるのは「家賃」、最もあきらめた人が多いのは「築年数」だという。ある意味分かりやすい気もするのだが、どうやらそう簡単な話でもないようだ。詳しく結果を見ていこう。【今週の住活トピック】
「2017年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)を発表/リクルート住まいカンパニー見逃せないのは、立地条件の影響

調査は、2017年4月~2018年3月に賃貸に入居し、物件選びに関与した人を対象に、2018年5月に行ったもの。
今回注目したいのは、部屋探しの際に「決め手となった項目」と「やむを得ずあきらめた項目」についてだ。

画像を見てほしい。図の縦軸が「決め手」度合い、横軸が「あきらめ」度合いで、上に行くほど決め手になり、右へ行くほどあきらめたことになる。

決め手となった項目×やむを得ずあきらめた項目(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

決め手となった項目×やむを得ずあきらめた項目(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

突出して上に飛び出ているのが「家賃」だ。かなり強く決め手になったことが分かる。次に上に位置するのが、「路線・駅やエリア」、その次が「最寄り駅からの時間」、僅差で「通勤・通学時間」が続く。つまり、立地条件については、かなり重視していることが分かる。

次に、あきらめた項目を見ていくと、最も右に位置しているのが「築年数」だが、次には「家賃」が来る。その次が「面積」、僅差で「最寄り駅からの時間」となる。つまり、「築年数は」もともと重視度が高くはなく、あきらめるのも早いが、「家賃」はかなり決め手になる一方で、あきらめた度合いも高くなっているのだ。

家賃(の高さ)をあきらめる理由として考えられるのは、立地条件だろう。中でも「最寄り駅からの時間」はある程度妥協できたとして、「路線・駅やエリア」や「通勤・通学時間」へのこだわりは強く、家賃を予算より上げざるを得なかった人が多くいたと推測できる。

また、「広さ」や「間取り」もある程度重視するが、家賃との見合いで希望より狭いものを選んだという動きも見て取れる。

「初期費用」については、高額になるが入居時だけ発生するものなので、家賃ほどは重視せずあきらめも早いということだろう。

エアコンは必須アイテム?24時間可のゴミ置き場は「あったらうれしい」

さて、賃貸物件で重視する設備に目を移してみよう。

「次に引越すときは(も)絶対欲しい」(「できれば欲しい」を除く)設備のTOP3は、「エアコン」「独立洗面台」「TVモニター付きインターフォン」となり、昨年と同じだった。また、「24時間出せるゴミ置き場」「浴室乾燥機」が昨年から大きく伸びたという(画像)。

次引越す際に欲しい設備 上位20項目(全体/複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

次引越す際に欲しい設備 上位20項目(全体/複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年度の賃貸契約者動向調査」(首都圏版)より転載)

設備の重視度は、無かったから次は欲しいのか、あったから次も欲しいのか、無かったから欲しいかどうか分からないのかなどの違いがあるので、単純に数値だけを見て分析するのは難しい。

調査では、設備を利用した人に満足度(「満足している」の比率で「やや満足」を除く)を聞いているので、資料から利用した人の数が分かる。利用者が多い=賃貸で普及していると類推してみよう。利用したことのある設備で多い順に、「エアコン」「都市ガス」「独立洗面台」「TVモニター付インターフォン」「インターネット接続可(有料の個別契約要)」「温水洗浄便座」「追い焚き機能付き風呂」となる。

利用者数の最も多い「エアコン」は、設備の満足度は58.2%(12位)だが、次も絶対欲しいと74.7%(1位)が考えている。つまり必須アイテムということだろう。「独立洗面台」(満足度58.0%/13位)や「TVモニター付きインターフォン」(満足度61.3%/7位)も同じ流れだ。

一方、「24時間出せるゴミ置き場」は、利用者数はそこそこだが満足度は1位(71.1%)。絶対欲しい優先順位は少し下がるものの、あると便利なので「けっこう欲しいかも」となるのだろう。満足度3位(66.5%)の「宅配ボックス」も同じ傾向が見られる。

「遮音性能の高い窓」(67.8%/2位)と「無料インターネット完備」(65.6%/4位)は、満足度はかなり高いが、利用者数がまだ少ないので「絶対欲しい」のスコアが上がってこないと推測できる。

立地や広さVS家賃、設備の充実度VS家賃など、互いに関係性が深いのが賃貸住宅市場だ。部屋探しの際には、「何を重視すれば毎日快適に過ごせるのか」をよく考えて、優先順位をきちんとつけるのが良いだろう。イメージがよいとか、あったら便利そうといった観点で選ぶのは後悔の元になりかねない。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/09/158968_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

ZEH-M(ゼッチ・マンション)が続々登場! ZEHって何?なぜ増えている?

$
0
0
「ZEH(ゼッチ)マンション」続々登場! ところで、ZEHって何?

平成30年度になってから、「ZEH(ゼッチ)マンション」なるものが続々と登場している。ZEHとは?ZEHマンションとは?について、経済産業省の事業に認定されたマンションを事例に見ていくことにしよう。【今週の住活トピック】
経済産業省「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」
「Brillia 弦巻」が東京都内初の事業として採択決定/東京建物
大京グループ 10 事業が採択決定/大京グループ
当社の分譲マンション「(仮称)プレミスト稲川三丁目」が採択されました/大和ハウスZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのこと

まず、ZEH(ゼッチ)とは何かについて、説明しよう。
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した呼び方だ。住宅で消費するエネルギーをゼロにしようというものだが、全くエネルギーを使わないわけにはいかない。住宅の断熱性・省エネ性能を上げることに加え、太陽光発電などによってエネルギーを創り、年間の「1次エネルギー消費量」をプラスマイナスでおおむねゼロ以下にしようというもの。

なお、1次エネルギー消費量の対象となるのは、「暖冷房・換気・給湯・照明」で、テレビや冷蔵庫などの家電製品は対象外だ。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の仕組み(出典:経済産業省の資料より転載)

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の仕組み(出典:経済産業省の資料より転載)

補助金で高層のZEHマンションを後押しする仕組み

住宅のエネルギー消費量を削減したい政府は、ZEHを普及させようとしているが、ZEHでは、住宅に太陽光発電設備などを備えつけてエネルギーを創り出す必要がある。マンションは戸数が多いわりに、太陽光発電設備を設置できる屋上の面積が広くないなどの制約がある。

そこで、政府はZEH普及の2030年までのロードマップを作成し、まずは注文住宅での普及に力を入れてきが、次第に分譲の新築一戸建て、賃貸・分譲のマンションへと普及対象を拡大してきている。

マンションについては、あいまいだったZEHマンションの定義を明確にし、補助金を交付する事業によって普及を加速させようというのが、経済産業省の「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」だ。

この事業は、住宅部分が6階以上のZEHの集合住宅が対象となる。住宅部分が5階以下のZEHマンションについては、別途「低・中層ZEH-M支援事業」がある。

では、国が定めたZEH-M(ゼッチ・マンション)の定義を確認しよう。
図にあるように、『ZEH-M』、Nearly ZEH-M、ZEH-M Ready、ZEH-M Orientedの4タイプがある。マンションの制約上、太陽光発電設備などによる再生エネルギーを期待しづらいことから、階数が高くなるほど再生エネルギーによる削減の基準を緩めている。

また、マンションのばあいは、従来から共用部分を含む住棟と購入対象となる住戸のそれぞれで、省エネ性能を評価してきた経緯もあり、住棟単位(専有部及び共用部の両方を考慮)と住戸単位(各々の専有部のみを考慮)の両方について、ZEH の評価方法を定めている点も特徴だ。

「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」公募要項より筆者が作成

「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」公募要項より筆者が作成

平成30年度は、15の事業(分譲マンション14・賃貸マンション1)で補助金の交付が決定している。「ZEH-M Oriented」という定義の導入と補助金が、ZEHマンションを後押しする仕組みとなったわけだ。

で、ZEH-M(ゼッチ・マンション)って、どんなマンション?

今回の国の定義によると、年間の1次エネルギー消費量がプラスマイナスゼロになるのは「ZEH-M」のみだ。「ZEH-M Oriented」の基準を満たすZEHマンションの場合では、地域ごとに設定された外皮基準をクリアし、年間の1次エネルギー消費量を20%以上削減すればよいわけだ。

「平成30年度 高層 ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」に採択された事業を見ると、おおむね次のようなマンションになる。

・住棟の外壁や屋根、住戸の床や天井の断熱性能を従来より引き上げる
・サッシのフレームに熱を伝えにくい樹脂材(従来はアルミ)を入れ 、省エネ性の高い複層ガラスを入れる。または二重サッシにして、内窓に樹脂サッシと複層ガラスを入れる
・給湯器にエネルギー消費効率の良いエコジョーズやエコキュート、エネファーム(燃料電池)を採用する
・床暖房やエネルギー消費効率の良いエアコンを採用する

大京グループのプレスリリースより転載

大京グループのプレスリリースより転載

ZEHマンションは、室内にいるときに夏の猛暑や冬の寒さといった外気の変化の影響を受けにくくなり、室内空間の快適性がアップする。さらに、室内の温度調節については、エアコンをガンガン使うことも抑えられ、光熱費も削減できる。エアコン嫌いの筆者にとっては、なかなか魅力的だ。

一方、ZEHマンションは、省エネ性能を引き上げるので、その分の建築コストは上がる。マンションの購入者が何を重視するか、どんな生活をしたいかによって、ZEHの価値も変わってくるのだろう。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/09/159122_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

【カップル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

$
0
0
【カップル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

JRの新しい駅「品川新駅(仮)」建設をはじめ、再開発が進められている品川駅周辺は、今後の発展が待ち遠しいエリア。前回は、そんな品川駅まで30分以内にある、シングル向け中古マンションの価格相場ランキングを紹介した。続いて今回は、同条件で専有面積40平米以上~70平米未満のカップル向け中古マンションの価格相場が安い駅のトップ10をピックアップ。注目が高まっている品川駅まで行きやすく、お手ごろに住める街はいったいどこ!?●品川駅まで30分以内の中古マンション価格相場が安い駅TOP10
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/品川駅までの所要時間)
1位 保土ヶ谷 2635万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/25分)
2位 市川 2999万円(JR総武線ほか/千葉県市川市/28分)
3位 新小岩 3280万円(JR総武線ほか/東京都葛飾区/22分)
4位 東戸塚 3285万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/30分)
5位 上中里 3489.5万円(JR京浜東北線/東京都北区/28分)
6位 川崎 3580万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県川崎市/9分)
7位 蒲田 3585万円(J京浜東北線ほか/東京都大田区/10分)
8位 立会川 3594万円(京急本線/東京都品川区/5分)
9位 京急川崎 3605万円(京急本線ほか/神奈川県川崎市/11分)
10位 田端 3624万円(JR京浜東北線ほか/東京都北区/25分)

品川駅から約25分離れると価格相場が2900万円以上ダウン!

今回の調査の起点駅とした品川駅から徒歩15分以内にある、カップル向け中古マンションの価格相場は5625万円。そこから電車で30分以内まで調査範囲を広げると、価格相場はグッとリーズナブルになることがランキングから見て取れる。

ランキング1位は中古マンション価格相場が品川駅の半額以下である2635万円と判明した保土ヶ谷(ほどがや)駅。JR横須賀線で品川駅まで5駅・約25分という近さに加え、JR湘南新宿ラインに乗れば渋谷駅や新宿駅にも乗り換えなしで行くことができる。また、1駅お隣は横浜駅という点も魅力だろう。ちなみに今回調査での横浜駅の価格相場は3688万円で、1駅違うだけで1000万円以上も相場に開きがあることも驚きだ。

保土ヶ谷駅には「ビーンズ保土ヶ谷」と「シァル保土ヶ谷」が併設され、スーパーやドラッグストア、飲食店などが営業中。仕事帰りにサッと日用品の買い物や食事ができるので忙しい共働きカップルにもうれしい。

2位はトップ10で唯一、千葉県に位置するJR総武線・市川駅。価格相場はぎりぎり2000万円台に収まった。駅南側は再開発により10年ほど前に誕生した「I-linkタウンいちかわ」がある。商業施設や行政施設、分譲マンション、UR賃貸住宅などからなる2棟の高層ビルがそびえ、45階の展望スペースからは都心部まで一望! 駅に直結したショッピングセンターもあるほか、駅北側にはスーパーも。また、駅北口から500mほど北へ歩くと、京成本線・市川真間駅があるのも便利な点だ。

市川駅とI-linkタウンいちかわ(写真/PIXTA)

市川駅とI-linkタウンいちかわ(写真/PIXTA)

「穴場の街」として注目される、都内の駅もランクイン

品川駅までの所要時間が最短だったのは、品川駅から京急本線で5駅という8位・立会川駅。京急本線のエアポート急行なら品川駅から2駅・約5分という近さでありながら、価格相場は品川駅よりも約2000万円も安い。駅周辺にはかつて土佐藩・山内家の下屋敷があり、若いころの坂本龍馬の着任地であることが近年、判明した。そのため駅前には龍馬像があるほか、駅前商店街は龍馬ゆかりののぼり旗や商品を用意して街を盛り上げている。

10位にはトップ10で唯一、JR山手線が通る田端駅がランクイン。下町風情が残る街にはわざわざ遊びに来るような目立った繁華街はないが、駅前に商店街が延びているほか、駅ビル「アトレヴィ田端」があったり駅周辺にスーパーが点在していたりと日々の買い物には困らない。リクルート住まいカンパニーが調査した「住みたい街ランキング2018 関東版」の「穴場だと思う街ランキング」では9位に選ばれており、狙い目の街と言える。

田端駅(写真/PIXTA)

田端駅(写真/PIXTA)

さて、前回のシングル編ではランキング上位が都内の駅で埋め尽くされた一方、今回のカップル編では東京、千葉、神奈川の駅が多くランクイン。都内にこだわらなければ価格相場が品川駅の半額以下だったり、品川駅に近い都内であっても穴場の街があったりと、今回のランキングはなかなかに発見が多い結果となった。

次回は品川編の最終回、専有面積70平米以上・100平米未満のファミリー向け中古マンションの価格相場ランキングを紹介したい。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている品川駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積40平米以上70平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年4⽉1⽇~2018年6⽉30⽇
【価格相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換なし)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/10/159693_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

売買や賃貸で、問い合わせから契約までの期間が長期化! その理由は?

$
0
0
売買や賃貸で、問い合わせから契約までの期間が長期化!その理由は?

不動産情報サイト事業者連絡協議会(以下、RSC)が不動産情報サイト利用者にアンケートを行ったところ、問い合わせをしてから契約までにかかった期間が長期化していることが分かった。売買と賃貸では違いもあるが、いずれも長期化している。その背景として、どういったことが考えられるのだろう?【今週の住活トピック】
「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果を発表/不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)問い合わせ物件数が増加。売買・賃貸ともに1物件が減少

不動産情報を探すときには、多くの情報を比較検討する必要があることから、以前はスマホよりPCの利用が多かった。最近はスマホ利用者がPCより多くなってきたが、2018年の結果を見るとPC利用が多かった60代以上を含めて、いずれの年代もスマホ利用が大幅に増加した。

問い合わせた物件数は平均5.5物件で、前年の2017年の4.9物件より増加した。賃貸を契約した人では、前年の4.9物件から5.1物件とわずかに増加し、売買で契約した人では前年の5.1物件から6.0物件と大幅に増加した。

全体では「1物件」「2物件」が減少し、「6物件以上」が大幅に増加した点が特徴だが、これは売買を契約した人の動向が大きく影響している。「賃貸」でも「1物件」という割合が減少しているので、じっくり比較検討している様子がうかがえる。

問い合わせた物件数(出典:RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」より転載)

問い合わせた物件数(出典:RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」より転載)

問い合わせから契約までの期間は長期化が顕著

次に、問い合わせをしてから契約までにかかった期間を見ると、全体的に長期化している結果となった。売買と賃貸ではかかる期間が異なるが、売買では最多の「1か月~3か月未満」(前年48.4%→35.5%)、賃貸では最多の「1週間~1か月未満」(前年64.5%→42.6%)が、いずれも前年より大幅に減少している。一方で、売買では「6か月以上」(前年4.8%→24.6%)、賃貸では「1か月~3か月未満」(前年16.3%→34.4%)が大幅に増加するなど、長期化が顕著に見られる。

物件の検討から契約までの期間(出典:RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」より転載)

物件の検討から契約までの期間(出典:RSC「不動産情報サイト利用者意識アンケート」より転載)

なぜ長期化する?長期化するのは望ましいこと?

問い合わせから契約まで、つまり住まい探しをスタートしてから契約する物件を決めるまでの期間が長期化するということは、どういうことだろうか?

それは「契約を急がない」「慎重に物件を比較検討する」ということだろう。

まず賃貸住宅市場だが、賃貸の空室率を示す、タス空室インデックスの過去2年の推移を見ると、関西圏・中京圏・福岡県はおおむね横ばい、埼玉県を除く首都圏はじりじりと上昇している。借り手が有利な市場といえるので、焦る必要はなくじっくり検討できる状況だ。

また売買では、新築マンションの価格が上昇し、中古マンションもつられるように上昇といった市況にある。複数物件を比較しながら無理なく買える価格かなど、価格と希望条件を慎重に見極めていることがうかがえる。

住宅はモノではなく生活の拠点となるものなので、焦らずじっくり比較検討するという状況は望ましいことだ。

だが一方で、新築マンションの価格が高止まりしている状況などから、いずれ価格が下がるのではないかと様子見をしている人も多いと聞く。そうなると、住まい探しを始めながらもなかなか物件を決めることができないので、今後さらに長期化するといったことも考えられる。

日本不動産研究所が東京23区のマンション価格の中期予測を発表しているが、「新築マンション価格は、2018年まで上昇、以降ほぼ横ばいで推移し、2020年には消費増税の影響でやや下落、以降2025年までは微減」と見て、2017年のm2単価98.9万円に対し、2025年は95.0万円になると予測している。

価格が微減したとしても、その間に住宅ローンの金利が上がってしまえば、利息増加分で相殺されてしまう可能性もある。不確かなものに振り回されて長期化するというのは、望ましいことではないだろう。自分が本当に住みたいと思えるものに出合った時が、決め時だと思う。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/11/159909_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

「新宿駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2018年版

$
0
0
「新宿駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2018年版

家を決めるとき、部屋の間取りや築年数と同じくらい重視したいのは、交通の便の良さだろう。趣味やライフスタイルの充実のためには、通勤や通学だけでなく、繁華街へのアクセスがどうかという点も大切なポイントだ。そこで、日本屈指の繁華街である新宿へ30分以内で行ける、ワンルーム・1K・1DKを対象にした家賃相場が安い駅ランキングを分析。それぞれの特徴を探ってみた。
新宿駅まで電車で30分以内、家賃相場の安い駅TOP20

順位/駅名/家賃相場/(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間(乗り換え時間を含む)/乗り換え回数)
1位 稲城 4.80万円(京王相模原線/東京都稲城市/26分/1回)
2位 生田 4.90万円(小田急線/神奈川県川崎市/22分/1回)
3位 読売ランド前 5.00万円(小田急線/神奈川県川崎市/24分/1回)
4位 朝霞台 5.10万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/25分/1回)
5位 ひばりヶ丘 5.20万円(西武池袋線/東京都西東京市/24分/1回)
6位 朝霞 5.50万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/26分/2回)
7位 百合ヶ丘 5.60万円(小田急線/神奈川県川崎市/26分/1回)
8位 宿河原 5.70万円(JR南武線/神奈川県川崎市/27分/1回)
9位 京王よみうりランド 5.80万円(京王相模原線/東京都稲城市/24分/1回)
9位 京王稲田堤 5.80万円(京王相模原線/神奈川県川崎市/22分/1回)
11位 上井草 6.00万円(西武新宿線/東京都杉並区/26分/2回)
11位 南浦和 6.00万円(JR京浜東北線・武蔵野線/埼玉県さいたま市/29分/1回)
11位 向ヶ丘遊園 6.00万円(小田急線/神奈川県川崎市/20分/1回)
11位 国分寺 6.00万円(JR中央線・西武国分寺線ほか/東京都国分寺市/30分/0回)
11位 武蔵野台 6.00万円(京王線/東京都府中市/25分/1回)
11位 登戸 6.00万円(JR南武線・小田急線/神奈川県川崎市/16分/0回)
11位 西調布 6.00万円(京王線/東京都調布市/21分/1回)
18位 久地 6.10万円(JR南武線/神奈川県川崎市/29分/1回)
18位 和泉多摩川 6.10万円(小田急線/東京都狛江市/27分/1回)
20位 中野島 6.20万円(JR南武線/神奈川県川崎市/28分/1回)
20位 新百合ヶ丘 6.20万円(小田急線・多摩線/神奈川県川崎市/23分/0回)
20位 田無 6.20万円(西武新宿線/東京都西東京市/28分/1回)
20位 蕨 6.20万円(JR京浜東北線/埼玉県蕨市/25分/1回)

新宿から30分で、自然の豊かさ満喫

家賃相場が一番安かったのは、京王相模原線の稲城駅だった。稲城駅のある稲城市は東京都心のベッドダウン。都内であるが、市名を冠した品種の梨が特産品として知られるなど、緑が豊かな街だ。

稲城駅は区間急行、快速の停車駅。駅前周辺はマンションが多いが、少し歩けば畑なども目立つ。徒歩20分ほど行けば、総合体育館や野球場、自然林のなかの散策路が整備された広大な稲城中央公園があり、日常生活の延長で森林浴を楽しむことができる。

稲城中央公園(写真/PIXTA)

稲城中央公園(写真/PIXTA)

道路の整備が進んでおり道幅が広く、コンビニなどの駐車場も広い場所が多い。稲城インターチェンジも近いため、車を利用する人、車での外出が好きな人などにはうれしい。ゆったりとした環境で子育てをしたいファミリー層にフィットする街と言えそうだ。

4位の朝霞台駅の所在地は埼玉県。東武東上線沿線のため、新宿と同じく日本有数の繁華街である池袋まで乗り換えなしで、約20分で移動できる。また、駅前はJR武蔵野線の北朝霞駅と直結しており、交通利便性は抜群だ。6位の朝霞駅とは東武東上線の隣駅だが、朝霞台駅は急行が利用できる。

駅前はチェーンの飲食店や大型スーパーもあり、日常の買い物も不自由することはないが、住宅街は昔ながらののどかな雰囲気も残る。駅から徒歩5分ほどにある北朝霞ぶどう園では、夏のシーズンのみ旬のぶどうを一般向けに販売している。そういった地元の農家の生産した野菜や果物の直売所があちこちにあるため、大きな商業施設とはまた違った買い物の楽しみを味わえるのも魅力だろう。

同率11位の向ヶ丘遊園駅と登戸駅は、以前リリースした「『渋谷駅』まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2018年版」で1位だった駅だ。付近に大学があるため学生や単身者向け物件が充実している。

登戸駅は、所要時間がランキング中、最短の16分。小田急線は東京メトロ千代田線と連絡しているため、大手町などのビジネス街へのアクセスも便利なほか、JR南武線も通っているため川崎へも乗り換えなしで利用できる。都心への移動時間をとにかく短縮したい人には、見逃せない街といえるかもしれない。

再開発が進む街、文化的な街……せっかく便利でも地元で満足?

おなじく11位の国分寺駅は、新宿までの乗り換え回数がゼロだ。駅周辺はホームセンターや24時間営業のスーパーもあり、飲食店の数も多い。

駅北口は再開発事業が進められており、今年春には再開発ビル「シティータワー国分寺ザ・ツイン」が開業。セレクトショップや東急ハンズなどの総合雑貨店、公共施設などが入るマンションで、ちょっと気負った買い物でも十分にまかなえそうだ。

シティータワー国分寺ザ・ツイン(写真/PIXTA)

シティータワー国分寺ザ・ツイン(写真/PIXTA)

20位の新百合ヶ丘駅も乗り換えなし。快速急行や急行、特急ロマンスカーが停車し、小田急多摩線の始発駅でもある。

新百合ヶ丘は芸術啓発に力を入れている街であり、駅前には映画館や文化施設が多い。大作映画をチェックできるシネコンだけでなく、名画の上映や併設の小劇場で演劇公演なども行われる「川崎市アートセンター アルテリオ」などがある。一般向けのコンサートも行われる昭和音楽大学も、新百合ヶ丘駅が最寄駅だ。住宅街は閑静で、付近の麻生川沿いは桜並木になっている。また、少し行けばのどかな里山の自然を活かした公園なども充実しており、せっかく新宿までのアクセスがよくても、休日は近所でも十分満足できてしまうかもしれない。

新宿駅はギネス記録に認定された、1日の乗降者数が世界一多い駅。乗り入れている路線の数も多いため、都内と神奈川県、埼玉県と、各地域の駅がバランスよくランクインしている印象だ。選択肢が多いのは迷いどころも増えるけれど、その悩みこそが部屋探しの大きな楽しみでもある。

●調査概要
【調査対象駅】新宿駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2018/6~2018/8
【家賃の算出⽅法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む⽉額賃料から中央値を算出元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/11/159834_mainn.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

「人間は自然の一部」。八ヶ岳で体験型教育を推進する古川和女史のデュアルライフ あの人のお宅拝見[11]

$
0
0
「人間は自然の一部」。八ヶ岳で体験型教育を推進する古川和女史のデュアルライフ あの人のお宅拝見[11]

私が知り合ったころの古川和(カズ)さんは、主婦から起業して体験型科学教育『リアルサイエンス』を、科学者の秋山仁氏らと子ども向けに行っていました。最近は「大人向けに、企業のチームビルディングなんかもやってるのよ!」と、相変わらずアクティブな姉御の行動力に驚くばかり。東京とのデュアルライフを楽しむ、八ヶ岳麓のお宅へ伺って話を聞くことにしました。連載【あの人のお宅拝見】
「月刊 HOUSING」編集⻑など長年住宅業界にかかわってきたジャーナリストのVivien藤井が、暮らしを楽しむ達人のお住まいを訪問。住生活にまつわるお話を伺いながら、住まいを、そして人生を豊かにするヒントを探ります。「アメリカで衝動買いした家具を置くために建てたような家」!?

和(カズ)さんの本宅は東京で、八ヶ岳の麓・大泉町に別荘を建てられたのは約20年前。子ども2人の子育て時代から山登りが好きで、野外活動教育の仲間もいるこの辺りが気に入っていたそうです。
今回も東京で午前中の仕事を終えてから車を走らせ、15時過ぎにこの取材。日常的に行ったり来たりとデュアルライフ(二地域居住)を楽しむアクティブな61歳は、私の憧れです。

クリームイエローに赤のトリムが映える大屋根の外観。取材日は曇りで冴えなかったので、青空の写真を送ってもらいました!(写真撮影/古川和さん)

クリームイエローに赤のトリムが映える大屋根の外観。取材日は曇りで冴えなかったので、青空の写真を送ってもらいました!(写真撮影/古川和さん)

八ヶ岳の家はフィンランドメーカー『ホンカ・ジャパン』のログハウス。山小屋のような丸太組みのログと違って、角型ログで、モダンな雰囲気。断熱性は北欧仕様なので秋冬は冷え込む八ヶ岳でも問題なし。

大きな家の小さな玄関、個性的なデザインは童話の世界のよう(写真撮影/片山貴博)

大きな家の小さな玄関、個性的なデザインは童話の世界のよう(写真撮影/片山貴博)

玄関を入った先に広がる、吹抜けの大空間リビングでお話を伺うことにしました。

ログの構造壁にタイルの床、赤い薪ストーブのある吹抜けのリビング(写真撮影/片山貴博)

ログの構造壁にタイルの床、赤い薪ストーブのある吹抜けのリビング(写真撮影/片山貴博)

私の隣にはアインシュタインの人形が鎮座。アメリカの友人からプレゼントされたそう(写真撮影/片山貴博)

私の隣にはアインシュタインの人形が鎮座。アメリカの友人からプレゼントされたそう(写真撮影/片山貴博)

「やっぱりログだから、内装の木肌が柔らかいし香りも良いのよね。20年たったけど」

お子様も独立され、ますます活動的な和さん。私はテニスでもご一緒し、パワフルなプレーに圧倒されています!(写真撮影/片山貴博)

お子様も独立され、ますます活動的な和さん。私はテニスでもご一緒し、パワフルなプレーに圧倒されています!(写真撮影/片山貴博)

20年前と言えば2人のお子様もまだ10代のころ、40歳そこそこで別荘を持つ余裕に驚き……。
「そういうことでも無いのよ!子どもにも良い場所とは思っていたけれど。実はアメリカの友達が家を売るときに、家具を処分するって言うから『私が買う!』って言っちゃって(笑)。しばらく、置く場所もなくアメリカの倉庫で保管してて、やっとここに置ける家が建てられたの」

イエローがアクセントカラー。壁には絵画より、窓の景色

旦那さまの赴任地だった米国バークレーの友人から買った、お気に入りの家具が10点以上。
「特にこのイタリア製テーブルのデザインが斬新で気に入ったの。このイエローが、インテリアのテーマカラーになりました」

イタリアンモダンのテーブルに合わせたイエローの椅子、右奥にはイエローの冷蔵庫をあえてキッチンの外、斜めに置いてフォーカルポイントに(写真撮影/片山貴博)

イタリアンモダンのテーブルに合わせたイエローの椅子、右奥にはイエローの冷蔵庫をあえてキッチンの外、斜めに置いてフォーカルポイントに(写真撮影/片山貴博)

ほかには、アメリカンBIGサイズのベッドが2階の寝室にありました。窓もベッドに合わせたデザインです。

私もここに泊めていただきましたが、おばさんでもお姫様気分(写真撮影/片山貴博)

私もここに泊めていただきましたが、おばさんでもお姫様気分(写真撮影/片山貴博)

「絵画も好きだけど、この家は壁に絵を掛けていないの。窓にカーテンをせず、窓枠を額縁にした外の景色が絵の代わり」
朝から夜、春夏秋冬。刻々と変化する景色を眺め、過ごす豊かさがここにはあるようです。

和さんが撮った、窓からの富士山や紅葉。一時として同じ景色は無い、自然の醍醐味(だいごみ)(写真撮影/古川和さん)

和さんが撮った、窓からの富士山や紅葉。一時として同じ景色は無い、自然の醍醐味(だいごみ)(写真撮影/古川和さん)

八ヶ岳界隈に住まう、クラフト&アクティブな人々も魅力

子育て主婦だった和さんは、35歳のときにNPO法人『Teaching Kids to Love the Earth』を立ち上げ、体験型学習を実践してこられました。
「アメリカ在住のころはヨセミテへキャンプに行ったり、東京では多摩川で網を投げて魚を獲ったり。子どもと遊ぶのも本格的、自然の中で育つと人への優しさが備わるものよ」
人間も自然の一部だと理解できるようになると、子どもも大人も物の見方が変わるということです。

赤い薪ストーブがリビングのアイコン。床暖房もあるが、薪を焚くと朝までホンワカと暖かい(写真撮影/片山貴博)

赤い薪ストーブがリビングのアイコン。床暖房もあるが、薪を焚くと朝までホンワカと暖かい(写真撮影/片山貴博)

「八ヶ岳界隈はすてきなお店や、面白い人が多くてね。とてもすてきなご夫婦が営まれているインテリアのお店があるの!」と、和さんお気に入りの北欧ヴィンテージ家具ショップが『SKOGEN』。
そのワークショップに参加してつくったペーパーコード編みの椅子が、暖炉の前に2脚(旦那さまと1脚ずつ作製)。

「薪をくべるときに座るとちょうどいい高さなの」。トレーを置くと、サイドテーブルとしても使える優れもの!(写真撮影/片山貴博)

「薪をくべるときに座るとちょうどいい高さなの」。トレーを置くと、サイドテーブルとしても使える優れもの!(写真撮影/片山貴博)

インテリアや手づくりが大好きな和さん。この家を建てるときも、自分で建材・設備を選びにショールームへかなり足を運んだそう。

2階のトイレには、和さんが探して来たパステル色のタイルが貼られていた(写真撮影/片山貴博)

2階のトイレには、和さんが探して来たパステル色のタイルが貼られていた(写真撮影/片山貴博)

「ほかにも東京から移住されたご夫婦で、きれいな畑をやっているお友達がいてね。今日も来る前に寄ったら、いろいろと採れたての野菜を下さったの」

早速、頂いた野菜をダイニングテーブルで並べ始め……(写真撮影/片山貴博)

早速、頂いた野菜をダイニングテーブルで並べ始め……(写真撮影/片山貴博)

八ヶ岳らしいグリーン・アレンジメント完成! 器は人気のプリンセス社(オランダ)ホットプレート(写真撮影/片山貴博)

八ヶ岳らしいグリーン・アレンジメント完成! 器は人気のプリンセス社(オランダ)ホットプレート(写真撮影/片山貴博)

ダイニングルームには、大人数が座れる大きなテーブル。「ここで企業研修をすることもあるの。自炊もチームビルディングの一環」

10人くらいはゆったり座れるテーブル。ここからも、外の緑が目に入る開放的なダイニング(写真撮影/片山貴博)

10人くらいはゆったり座れるテーブル。ここからも、外の緑が目に入る開放的なダイニング(写真撮影/片山貴博)

そしてダイニングの奥には、コンサバトリー(サンルーム)もあります。

「ここは朝、気持ちいいのよー」。朝日が入る、東側にあるコンサバトリー(写真撮影/片山貴博)

「ここは朝、気持ちいいのよー」。朝日が入る、東側にあるコンサバトリー(写真撮影/片山貴博)

食器も好きな和さんコレクションで、朝食風にセットしてもらった(写真撮影/片山貴博)

食器も好きな和さんコレクションで、朝食風にセットしてもらった(写真撮影/片山貴博)

和さん自身がそうであるように、八ヶ岳界隈にはアクティブに何かをするために住まう人が多いよう。そんな活力のあるコミュニティーが、この避暑地ならではだなぁ……と感じました。

老若男女、グローバルな出会いの場になればという想い

海外の子どもたちが環境体験学習を行うのに、ここを拠点にすることもあるようで、こんな色紙を発見。

このお宅のデッキにあふれる子どもたち。つづられた感謝の言葉が並ぶ(写真撮影/片山貴博)

このお宅のデッキにあふれる子どもたち。つづられた感謝の言葉が並ぶ(写真撮影/片山貴博)

色紙の写真は、このデッキ。ハンモックも気持ち良さそう(写真撮影/片山貴博)

色紙の写真は、このデッキ。ハンモックも気持ち良さそう(写真撮影/片山貴博)

「外国人をお招きすることもあるので、一応和室もね」、2階の和室には野点(のだて)の茶道具も収められています。

琉球畳に和紙のランプでモダンな和室。洋風窓も意外と調和(写真撮影/片山貴博)

琉球畳に和紙のランプでモダンな和室。洋風窓も意外と調和(写真撮影/片山貴博)

今回敷地内に、以前来たときには無かった物体や小屋が増築されていました(!?)。

高さ3mの壁、これを道具無しにチームで協力して全員登り切るという課題用

高さ3mの壁、これを道具無しにチームで協力して全員登り切るという課題用

シーソー、複数人が乗ってバランスを取るもの(写真撮影/片山貴博)

シーソー、複数人が乗ってバランスを取るもの(写真撮影/片山貴博)

「これも体験学習のひとつ。大人も子どもも自然のなかで身も心も鎧を脱ぎ捨てて、ひとりではできないことを助け合いながら達成する。人それぞれ得意不得意があって当然、お互いの理解が深まっていくのがチームビルディング」
子どもたちも、そんな体験から“多様性”を肌で実感することになるのだそう。

「今日は曇っていて残念ね」と空を眺めながら、「今度はここでテニス合宿するから、いらっしゃいよ!」と誘ってくれた(写真撮影/片山貴博)

「今日は曇っていて残念ね」と空を眺めながら、「今度はここでテニス合宿するから、いらっしゃいよ!」と誘ってくれた(写真撮影/片山貴博)

八ヶ岳のお住まいも拡張するなか、「今度は東京の家を建て替える計画をしたいの! いつか娘が子育てするのなら二世帯住宅にしたいと思って。子どもも大人も一緒に勉強できるような書斎をつくりたい、天井まで書棚があってハシゴに登って本を取るような……」と、目を輝かせる和さん。その夢は、いくつになっても尽きることが無さそうです。

古川 和
八ヶ岳エナジェティック倶楽部代表
1957年大阪府生まれ。東京都在住、結婚・子育てを経て1992年子どもの環境教育、科学教育の会Teaching Kids to Love the Earthを起業。2000年一橋大学大学院國際企業戦略研究科(非常勤講師)。後に、アクションラーニング研究所を立ち上げ、企業のチームビルディング研修を実施。カリフォルニア大学バークレー校の体験型の科学教育の手法を日本に普及し、NPO法人体験型科学教育研修所を立ち上げ2016年まで活動。2017年より株式会社EHRのエグゼクティブコンサルタント。(文部科学省政策評価有識者会議メンバー、東京学芸大学監事(非常勤)など)。
趣味はテニス、俳句、茶道、美術鑑賞と幅広く、多彩な人脈を持つ。座右の銘:格物致知
株式会社EHR
北欧家具「SKOGEN」元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/11/159887_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

「3万円の高級キャットハウス」「タイニーハウスでのシンプルで豊かな暮らし」【10月人気記事まとめ】

$
0
0
「3万円の高級キャットハウス」「タイニーハウスでのシンプルで豊かな暮らし」【10月人気記事まとめ】

涼しくなったと思ったら、途端に冬の気配を感じる今日このごろ。さてSUUMOジャーナルで10月に公開した記事では、「タイニーハウスでの暮らし」や「段ボールハウスで小屋づくり」など、暮らしを楽しんでいる人の記事が人気でした。TOP10の記事を詳しくご紹介します。
10月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位:フランス製3万円の“高級キャットハウス”が日本で支持される理由
第2位:「渋谷駅」まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2018年版
第3位:アメリカ発の「小さな家」 タイニーハウスで実現する“シンプルで豊かな暮らし”
第4位:中古リノベを選ぶ独身女性が増加中! リノベ女子の暮らしとは
第5位:大人の段ボールハウス&家具をつくる!「部屋に小屋」を30分で
第6位:あなたの都道府県のマンション、平均年収の何倍で買える?
第7位:危険な埋め立て地、どう見分ける? 北海道地震でも液状化被害
第8位:共働き夫婦の理想の休日。ママは「一人で」パパは「家族と」自宅で過ごしたい…
第9位:リノベパーツを駆使した「toolbox」な暮らし その道のプロ、こだわりの住まい[1]
第10位:【シングル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング
※対象記事:2018年10月1日~2018年10月31日までに公開された記事
※集計期間:2018年10月1日~2018年10月31日のPV数の多い順

第1位:フランス製3万円の“高級キャットハウス”が日本で支持される理由

(画像提供/株式会社モダニティ)

(画像提供/株式会社モダニティ)

通常、5000円~1万円程度のキャットハウスですが、3万~4万円という高級タイプも販売されるようになりました。猫にとって居心地がいいことはもちろん、インテリアとなじむ高いデザイン性が飼い主にも好評なようです。猫も人も快適に暮らすために、こんなぜいたくもありかもしれません。

第2位:「渋谷駅」まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2018年版

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

人気エリア・渋谷駅まで30分以内の、ワンルーム・1K・1DKを対象にした家賃相場が安い駅ランキングを分析してみたところ、該当の26駅すべてで家賃が6万円台という驚きの結果に! ランキングに入った駅があるのは、いずれも閑静な住宅街。落ち着いた暮らしと繁華街までのアクセスの利便性が両立できる暮らしに興味をもったら、記事でランキングの詳細を確認してみてくださいね。

第3位:アメリカ発の「小さな家」 タイニーハウスで実現する“シンプルで豊かな暮らし”

(画像提供/YADOKARI株式会社)

(画像提供/YADOKARI株式会社)

ここ数年で注目を集めているタイニーハウス。タイニーハウスとは? 建てるにはどうしたらいいの? そんな疑問に対する解説や、実際にタイニーハウスに住んでいる方のお話しをご紹介します。住むきっかけ、メリット、デメリットを参考に、ご自身の暮らしを見つめ直してみるのもいいかもしれません。

第4位:中古リノベを選ぶ独身女性が増加中! リノベ女子の暮らしとは

(写真撮影/嶋崎征弘)

(写真撮影/嶋崎征弘)

リノベーションのメリットは、住まいを自分らしく変えることで、理想の暮らしがかなうこと。「中古リノベ」を実現させるにはどんなステップを踏めばいいのでしょうか。中古マンションを購入しリノベーションを行った実例で、流れと、理想の暮らしを手に入れた女性の充実ライフをご覧ください。

第5位:大人の段ボールハウス&家具をつくる!「部屋に小屋」を30分で

(画像提供/段ペディア)

(画像提供/段ペディア)

低価格でどこでも手軽に入手可能、それでいて軽くて丈夫な段ボール。最近では家具や遊具や防災用品、そしてアートとしても注目されているとか。そんな段ボールで個室をつくってみました。所要時間はわずか30分! そして材料も段ボールとテープ、接着剤のみ。部屋の中の小屋、「秘密基地」つくりにチャレンジしてみませんか?

家選びに役に立つ記事や、お手本にしたい暮らしについての記事がランクイン

第6位:あなたの都道府県のマンション、平均年収の何倍で買える?

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

“マンションの買いやすさ”を検証するために東京カンテイが出しているのが、都道府県別に算出した、マンション価格の平均年収倍率の調査結果。エリアによって年収倍率は異なるため、あなたが今住んでいる、住みたいと思っている都道府県のマンションはどうなのか、チェックしてみましょう。

第7位:危険な埋め立て地、どう見分ける? 北海道地震でも液状化被害

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

現在の日本では、地盤の強さ・弱さには関係なく、市街地が形成され建物が建っています。今でこそ建物を建てる前には地盤調査を行い、必要があれば地盤改良を行うことが事実上義務付けられていますが、以前は地盤調査すら行われなかったということも。地形の調べ方や、液状化の懸念がある場所に住む場合の注意点など、事前に知っておきたい知識がてんこ盛りです。

第8位:共働き夫婦の理想の休日。ママは「一人で」パパは「家族と」自宅で過ごしたい…

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

住環境研究所が、共働きで子育て中の25~39歳の男女に「休日の理想の過ごし方」について調査したところ、パパとママの回答に違いが! 最近はパパの家事参加も増えたとはいえ、やはりママの家事負担は大きく、それが調査結果に表れているようです。

第9位:リノベパーツを駆使した「toolbox」な暮らし その道のプロ、こだわりの住まい[1]

(写真撮影/嶋崎征弘)

(写真撮影/嶋崎征弘)

何かの道を追求し、私たちに提案してくれる「プロ」。そんなプロならではの住まいの工夫やこだわりを伺う連載です。第1回は、内装建材や家具、住宅設備やパーツを扱うオンラインストアスタッフのリノベーションマンション。設備やパーツを扱うプロである彼女が、好みのパーツを詰め込んだというマンションは果たしてどんな仕上がりになったのでしょうか? 家づくりの進め方やコツについての情報も満載です。

第10位:【シングル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

再開発が進められ、これから街の価値が高まることが予想される品川駅。そんな品川駅まで30分以内にあるシングル用の中古マンション相場を調査しました。今回の調査で該当した駅は13駅。30分以内といいつつ、一番近いのはお隣の五反田駅(12位)で、所要時間なんと5分。ほか、山手線の駅がいくつもランクインしています。その他の駅や価格相場は記事でチェックしてくださいね。

10月は「渋谷まで30分以内・品川まで30分以内の相場が安い駅ランキング」と、2本のランキング記事がランクインしたほか、「中古リノベ女子」「プロのこだわりの家」など、自分にとって心地いい家で暮らしを楽しんでいる人の記事がランクインしました。すてきだなと思うところがあったら、ご自身の生活に取り入れてみると、日々の生活がより豊かなものになるかもしれませんよ。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/11/160004_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

あなたは「ヒートショック予備軍」? 予防する方法は?

$
0
0
あなたは「ヒートショック予備軍」?予防する方法を知っている?

リンナイが、入浴習慣の実態について調べるために、「ヒートショック危険度チェックシート」を用意した。このチェックシートで、自分はヒートショック予備軍かどうかが分かるという。あなたは危険度の高い“予備軍”に当てはまらないだろうか?【今週の住活トピック】
「入浴」に関する意識調査を公表/リンナイ危険度を判定!あなたはヒートショックを起こしやすい?

まずは、次のチェックシートに挑戦して、あなたのヒートショック危険度を判定してみよう。

ヒートショック危険度 簡易チェックシート
□ メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪い等と言われた事がある
□ 自宅の浴室に暖房設備がない
□ 自宅の脱衣室に暖房設備がない
□ 一番風呂に入ることが多いほうだ
□ 42度以上の熱い風呂が大好きだ
□ 飲酒後に入浴することがある
□ 浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませる
□ シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける
□ 入浴前に水やお茶など水分をとらない
□ 1人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る
リンナイが公開した、入浴科学者・早坂先生監修 ヒートショック危険度チェックシート(出典/リンナイ「入浴」に関する意識調査のリリースより転載)

チェック数が5個以上ある方はヒートショックになる可能性が高い『ヒートショック予備軍』だという。
筆者はチェック数が3つだったが、1つでも当てはまればヒートショックの可能性はあるのだそうだ。油断大敵ということか。

ちなみに、全国の2350人のチェック結果は以下のようなものだった。脱衣室や浴室に暖房設備のない家庭がとても多いことが分かる。

危険度チェックシートの回答結果(出典/リンナイ「入浴」に関する意識調査のリリースより転載)

危険度チェックシートの回答結果(出典/リンナイ「入浴」に関する意識調査のリリースより転載)

ヒートショック対策で、どんなことをすればいい?

この調査で「ヒートショック対策について何か習慣化していることがあるか」を聞いたところ、習慣化している人は18.3%と2割に満たなかった。

また、習慣化していると回答した人の具体的な対策としては、次のような結果になった。
入浴前に脱衣所や浴室を暖かくしておくほかに、入浴前後に水分をとったり、湯船につかる前にかけ湯などで体を温めたり、ぬるめのお湯にして長湯を避けたりといった予防対策が取られている。

ヒートショック対策の回答(出典/リンナイ「入浴」に関する意識調査のリリースより転載)

ヒートショック対策の回答(出典/リンナイ「入浴」に関する意識調査のリリースより転載)

ちなみに、筆者の家の浴室には「浴室乾燥機」がある。「乾燥」「換気」「暖房」「涼風」の機能があるので、浴室内を冬には暖房機能で暖めたり、夏には涼風機能で涼しくしたり、入浴後は換気機能で湿気を排出したりといったことができるので重宝している。

浴室乾燥機がない場合でも、入浴前にシャワーで温水を浴室の壁にかけるなどして、浴室を暖めておくという方法もある。脱衣所に小型のヒーターなどを設置して暖めたり、脱衣所の扉を開けておいて近くのエアコンを使って居室間の室温差を無くしておいたりなどの方法も有効だろう。

また、リンナイのリリースには、ヒートショックを予防する「入浴前準備呼吸」を紹介しているので、試してみるのも良いだろう。 

なお、全国健康保険協会によると、国土交通省はヒートショックを防ぐための住宅環境として、部屋の温度は15℃以上28℃以下、洗面所・浴室・トイレの温度は冬季で20℃以上といった温度条件を紹介しているという。

入浴中だけでなく、住まいの中で急激な温度差にさらされることで起きる可能性もあるのがヒートショックだ。起きて布団から出たときや寒い廊下に出たときにもリスクはつきまとう。住まい全体の暖房器具を上手に活用したり、断熱対策グッズを利用したり、住まいの断熱改修を実施したりといった、住まいの工夫でヒートショック対策を取ることも大切だ。

普段の何気ない生活行動で急激な温度差を感じ、それが命を脅かすヒートショックを生み出すこともあるのだから。

元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2018/11/160039_main.jpg

あわせて読みたい─関連記事─

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル
Viewing all 2939 articles
Browse latest View live


Latest Images